渦層

渦層は英語でvortex sheetsらしい。流速の不連続面のことらしい。そこでの渦度は、
  \vec{\omega}=\vec{\kappa}\delta (n)
でかける。ここでnは不連続面からの距離。
で、この不連続面上での渦度の挙動を調べる。面Sに対して、点Pから面S上の点Qに点Pが近付くときの、渦層によって誘起される流速を考える。ここで、Voit-Savartの法則から、
  \vec{u}_v=\Bigint dS\frac{\vec{\omega}(\vec{x}_S)\times (\vec{x}_S-\vec{x}_Q)}{|\vec{x}_S-\vec{x}_Q|}
になる。ここでSは面S上の任意の点。これに上の渦度の表式を代入する。そして書き方を変えると、
  \vec{u}_v=\Bigint dS\frac{\vec{\omega}_Q\times \vec{x}_{PS}}{|\vec{x}_{PS}|^3}+\Bigint dS\frac{(\vec{\omega}_S-\vec{\omega}_Q)\times (\vec{x}_{PS})}{|\vec{x}_{PS}|^3}
第二項について、
  \lim_{P\to Q}\Bigint dS\frac{(\vec{\omega}_S-\vec{\omega}_Q)\times (\vec{x}_{PS})}{|\vec{x}_{PS}|^3}=\Bigint dS\frac{(\vec{\omega}_S-\vec{\omega}_Q)\times (\vec{x}_{QS})}{|\vec{x}_{QS}|^3}
になるが、ここで同じ不連続面上で渦度と位置ベクトルの外積が0になる必要はないので、有限の値を取る。
第一項については、
  \vec{u}_v=\Bigint dS\frac{\vec{\omega}_Q\times \vec{x}_{PS}}{|\vec{x}_{PS}|^3}=\vec{\omega}_Q\times \Bigint dS\frac{ \vec{x}_{PS}}{|\vec{x}_{PS}|^3}
として良い。ωQは面上の点の場所に依存しないから。として、位置ベクトルの積分を考える。
  \lim_{P_1\to Q}\Bigint dS\frac{\vec{x}_{PS}}{|x_{PS}|^3}-\lim_{P_2\to Q}\Bigint dS\frac{\vec{x}_{PS}}{|x_{PS}|^3}=4\pi\vec{n}(Q)
になる。ここでnは1から2へのベクトル。4πは留数の計算から出てくるはず。そして上から第一項も0以外に非自明な値を持つので、適当に±をつけてこれをまとめると、
  \lim_{P_i\to Q}=\pm\frac{1}{2}\vec{\kappa}_Q\times\vec{n}_Q+\vec{q}_Q
とかなる。
なんつーかこの手の話は相変わらず釈然としないな。