捩率

上の話は平面曲線の話だったが、次に空間曲線の話にする。そうすると、曲線に対して二つの独立な法線ベクトルが定義できるようになる。ので、一つ目の法線ベクトルとして、
  \frac{d\vec{e}_1}{ds}=\{\kappa\vec{e}_2|\kappa\gt0\}
ここで、κが正の数であるということから法線ベクトルを決める。次に、この法線ベクトルと接線ベクトルでもう一つの法線ベクトルを決める。
  \vec{e}_3=\vec{e}_1\times\vec{e}_2
ここで、e2、e3はそれぞれ主法線ベクトル、従法線ベクトル。で、e1, e2, e3で空間曲線の場合のFrenetの標構を形成することになる。
また、空間曲線の場合のFrenet-Serretの公式は、
  \frac{d}{ds}\left(\array{\vec{e}_1\\\vec{e}_2\\\vec{e}_3}\right) =\left(\array{0 & \kappa & 0\\ -\kappa & 0 & \tau \\ 0 & -\tau & 0}\right) \left(\array{\vec{e}_1\\\vec{e}_2\\\vec{e}_3}\right)
になる。
これの導出は上のエントリと同じ方法で出来る。
それぞれのベクトルの絶対値を微分して、それぞれのベクトルの直交性をまた微分して、その微分係数の間の関係から上の曲率κと捩率λがきまる。
捩率については、
  \frac{d\vec{e}_2}{ds}=-\kappa\vec{e}_1+\lambda\vec{e}_2
みたいな感じで決まる。
ここで、捩率と曲率が弧長sや、時間tなりの関数として決まると曲線が一意に決まる。実際には曲率と捩率をFrenet-Serretの公式に代入して、連立微分方程式を解くことで曲線をひくことが出来る。