離散Fourier変換には本質的には時間スケールが絡まない件について

なんつーか、もう、これ、不勉強の誹りを受けて当たり前なあれだと思うんだけど、実験データをFourier変換するときに時間スケールが必要だと思ってたんですよ。つまり、ある時間である物理量を計測して、そこからΔtあとにまた測定したっつーの。なんでかってエリアシング(Aliasing)とかNyquistの臨界なんとかとかあるので、それも計算に入ってくるんだろうと。
なんだけど、excelのFourier解析のコンポーネント見ても、データ列だけでよくて、時間のデータなんていらねーとか書いてあるのな。これはexcelのおまけだからしょっぼいんだろうと思ってたんだけど、よくよく離散Fourier変換の式見たら、この場合は時間スケールとかなんてFourier変換かける分には必要ないんですね。
もちろんデータの解釈とか、信憑性を考える上では必要だけど。
よく数値計算の方でやるFourier変換の定義は、
  \scr{F}=\Bigint_{-\infty}^{\infty}dt\hspace{5mm}e^{2\pi i\omega t}, \\ \scr{F}^{-1}=\Bigint_{-\infty}^{\infty}d\omega\hspace{5mm}e^{-2\pi it\omega}
で、これをtkとω=n/(2NΔ)で離散化すると、
  \scr{F}=\Delta\sum_{k=0}^{N-1}e^{2\pi i\frac{nk}{N},
とかなって変換の本質的な部分には時間スケールなんて入ってこなくて、そのデータが何番目かと、どんだけデータ取ったかだけで計算ができるんですねと。なんかFourier変換の時間スケールとかドリフトとかが絡むのかと思ったけど、もっと簡単な話だった。というか、サンプリング数だけしか実験で得たものが必要でないという事実にちょっとびびった。もちろんサンプリング周波数がいくつで、どの辺の周波数帯の値が信頼できるのかって言うのはサンプリングレートがいくつかっていうのが絡んでくるので重要なんだけど、でも計算のプロセスには絡んでこないんですね。ちょっと不思議な感じです。というかただたんに俺が阿呆だっただけという話もあるけど。

エリアシング(aliasing)

ちなみにaliasingっていうのはサンプリングレートΔtがでかくて当てにならないっつーことです。超簡単に言うと。波ひとつを数えるのにはその波よりも短い波長でデータを取らないと観測したことにならなくて、その波の波長より長い波長でデータを取っても実際の現象を忠実に観察できたとはいえなくて、それをFourier変換にかけても訳のわかんねーノイズになりますよということらしいです。こういうのを折り返しノイズとかいうらしい。とNumerical Recipesに書いてあった。
そしてその基準になるのがNyquistの臨界周波数で、
  f_c=\frac{1}{2\Delta},
です。まあ実際に波書いてみりゃ分かることなんですがね。