波速が波速な訳

波動方程式
  \frac{\partial^2\varphi}{\partial x^2}=\frac{1}{c^2}\frac{\partial^2\varphi}{\partial t^2}
の中のcは波速なんだけど、何で波速になるのかよくわからなかった。だって偏微分方程式の中に、cは波速であるとか書いてあるだけだったし、音波の波動方程式を見ると、次元解析から確かに波速なのかもしれないなあくらいのことは分かったけど、でも釈然としなかった。
とかいうのは置いといて、取り敢えず上の方程式の一般解を出すのを考えると、ξ=x-ctと、η=x+ctとかいう変数変換を考えると、上の偏微分方程式が、
  \frac{\partial^2\varphi}{\partial\xi\partial\eta}=0
になる。
これはまあ楕円型の方程式をそれなりの作法に則って変数変換すると出てくる形ですね。
そしてこの方程式を解くんですが、簡単に積分できます。
η積分すると、
  \frac{\partial\varphi}{\partial\xi}=F(\xi)
ξ積分すると、
  \frac{\partial\varphi}{\partial\eta}=G(\eta)
になって、ϕの一般的な形はFとGの線形和で、
  \varphi=f(\xi)-g(\eta)=f(x-ct)+g(x+ct)
になります。
それで、特性曲線ξ上ではcが擾乱の伝播する速度になる訳です。例えば、ξ=Const.のときにϕ=Const.になって、一つの波面を形成する訳ですが、そのx方向に進む速さは、dx/dtで、今、ξ=x-ctという縛りがあるので、dx/dt=cということになります。
擾乱の進行する速さが波速なので、そういうことでcが波速になりますというお話らしい。やっぱランダウはすげーや。