降雨バクテリア

どうやら世界には雨を振らせているかもしれないバクテリアがいるらしいです。
雨って、大気中で水蒸気が凝固しないと水滴ができなくて、降雨しないのですが、基本的に沸騰も凝固も何らかのゴミがないと起こりません。例えば薬缶の水とかは100度になると沸騰しますが、これは水の中にゴミが沢山あって、なおかつ薬缶の表面にも分子オーダーの凹凸が沢山あるから沸騰が起こりやすくなって相転移点で沸騰します。
これを超純水で、極めて滑らかなビーカーで熱すると、100度を超えて105度とかになっても沸騰しません。これは水の中にゴミがない上に、ビーカーも滑らかで、もう十分気体になっても良い筈の水が水蒸気になる取っ掛かりを見つけられないことによります。
これと同じで、塵一つない空間に奇麗な湿り空気を流して、囲いも分子レベルの滑らかさを保たせた場合には湿度が十分大きくても水滴が引っ付く取っ掛かりがないので凝固しません。寺田寅彦が雪の結晶を観察してたのもこれとのアナロジーで理解できます。
つまり、毛皮のコートをきた人が2人いて、どちらも雪の中を歩いてきて、片方の人の毛皮には雪がくっついて結晶ができたけど、もう一人の人のコートには結晶はできなかったとかいう話です。オチはコートの材質がちがくて、ウサギと何だかでした。で、うさぎのは毛先が細い上に更にゲジゲジが生えていて、そこに雪がくっついて結晶ができたけど、もう片方のには繊維が滑らかなので雪の結晶はできませんでしたみたいなオチです。
ので、結晶生成には核が必要ですという今日に臨界現象を語る上でとても重要な発見が日本人によってなされたのでした。という話です。
で、この記事の中ではそのけばけばのウサギのけの代わりをバクテリアがなしていて、軽いバクテリアが空高く、広く分布していて、そこに水蒸気がくっついて水滴が形成される。というストーリーのようです。なんでも場所に寄ってはエアロゾルの多くがこのバクテリアだったとか。
なんか生き物が気象とか環境っぽい現象に影響を与えているのは面白いですね。ということは地球上にこのバクテリアがいなければ普く地上に雨が降り注ぐことはなく、世界の降水量は大幅に減っていて、地球上の生物の居住可能な面積も大幅に減っていたかもしれないっていうことですかね。

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=64122879&expand