まああれだ頑張ってくれ

昨日の日記にトラックバックがきたよ。
色々と思い出した。
大概物覚えは悪いので、半年以上前のことはよう覚えとらんのだけど、思い出した。あと、これの中の人は同じ大学。

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取り敢えずいつだかを振り返ってみる

CASE 2 --------------------------------------------
アンサイクロペディア 「ピペット土方」より)


ピペット土方C氏の友人D氏の反応】


23歳修士1年「へえ?。大学院に行っているんだ。頭いいんだねえ。こっちはこの前ボーナスもらって大型液晶テレビ買っちゃったよ。正社員っていいぜ。」


25歳博士1年「すごい! ドクターコースなんだ。卒業したら博士? 将来は大学の先生か、すごいねえ」


26歳博士2年「先月車買っちゃってさ、ローンが大変だよ。今度どっかに遊びに行かない?え、お金厳しいんだ、そっかあ、がんばれ!」


27歳博士3年「結婚したばっかりなのに、海外勤務になりそうだよ、参ったよ。駐在員は給料は破格なんだけど、お金だけあってもね・・・・。社会人も大変だよ」


28歳ピペド「え、すぐ助手になれないんだ。ポスドクってよくわからないけど、大変な世界なんだね。気にするなよ、数年後には助教授だって!」


30歳ピペド「気に障ったらごめんな。ただ、人には向き不向きがあるからアカデミックの世界にこだわる必要ないと思うよ。もういい歳なんだし、早く定職と嫁さん見つた方が・・・お金がないと家族ももてないよ。」


36歳塾講師「子どもが今度中学校受験のために塾通い出してさあ。受験か、懐かしいよな。お前はどうなんだ。博士号取ったのに、塾講してんの? ふーん。人生色々だけど、やっと落ち着いたんだな。早く結婚しろよ。親がかわいそうだぜ」


38歳無職「え?少子化で塾が潰れた・・・。35歳過ぎで仕事探すの大変だろ!え??派遣会社登録してる?で、仕事もらえてる?やっぱムリだろ・・・。正社員はさすがに紹介できないがうちの工場でライン工で働いてみないか?搾取がない分、派遣よりましだろ?決して楽ではないが衣食住はそろっているぞ。高卒と一緒に働くのは嫌だ?バカ!お前はそうやってプライドにこだわって生きてきたから今無職なんだよ!」
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とか、まあね、漏れみたいに一応学位とった人間には身にしみる。既に今の時点で3年ビハインドだしな。年収にならすとおおざっぱに一千万とかで、シャレにならん。まあ得るものがなかったかというと、なかった訳ではないけど、仕事の上での何かとか、経済的な何かの得にはなっておらず、寧ろマイナスかもしれなかったりする気がする。最近は、

学位は博士(工学)だけど、実は博士(エロ)の方が似合ってるかもしれない。

と周りの方々に有り難くネタに使ってもらったりしてます。まあこんなもん位にしか役に立たん。
そして、ポスドクもあるときはなくはなかったんだけど、もうそういう不安定な生活は無理すぎるし、土日に休めないとか考えられないし、その頃は一度大学を離れていたので、色んな意味でそういうものに対して世間並みの醒めた目で見られたのかもしれない。なんというか、今のアカデミックな世界というのはどちらかというと誰が学振の申請書の推薦状を書くかとか、そういうので決まるような一種の政治の世界のような気がして、そういう所に俺みたいな鼻つまみ者で、上のいうことを聞かない人間がいっても碌なことはないし、合わないし、窮屈な気がした。
まあ今は今でチャラリーマンの方が合ってたなという気はする。


んで、斯くいう漏れも、実は高校だか、浪人したときには生物やろうと思ってたのですよ。
これからは生物だっていうし、あんまし周りでやってる奴いなかったし。そうそう、余談ですが、最近だと高校の理科で物理と生物を選ぶんですが、そのときに物理を選ぶ生徒がすげー減ってるらしいですね。生物の方が物理よりも落ち小ぶれる確率が少ないし、なによりも受験のときに高得点が期待できるからとからしく、東大の理系でも半分くらい生物選択とかだとかなんだとか。
別に生物を高校で選択しててけしからんということはないのだけれど、理系学部の半分は工学部と理学部の半分とかで、結構物理とってた方が良いんじゃねと思うんだけど、大学の専攻でとる以外の人は物理とってないんですかね?
これは物理をやっていた人間の傲慢だといわれることも多く、自分でもたまにそれを感じる訳だけど、物理というのは理科のうちでもっとも基本的な部分をになっているものなので、それを知ってると知らないのとでは、化学とか生物をやったときの理解の速度が全く違うと思うのですよね。そういう意味で、これで良いのかと思うんだけど、どうなんだろ。高校のときに世界史が必修で、なんでこんなもんやんだクソ詰まらんとか思ってたけど、教科書を持ってるというだけでも全然違ったりするもんだと今は思うので、分からんでも物理の授業は受けさせた方が良いと思うんだけどなあ。
そうはいっても今の高校の教育課程の物理の授業ではそれらの知見に結びつく機知というのは全く見出せないですけどね。


そう、そしてSλは大学に入って、生物しようと思って授業受けたのです。あ、学部は農学部ね。因に数理生態学とか、やりたいなーと思ってた。
そしたら俺が想像していた俺が想像してたのとは全く異なる授業が繰り広げられておりまして、現実の生物の営みを数学を使って構造化して、そこから更に生き物の世界の不偏の原理を導きだそうみたいなあれはなくて、取り敢えず実験的に3/4乗とか、そんなのが罷り通ってて、その頃ロジスティック曲線がどうとか自分で勉強してた俺様は、あーここには俺の望んでいたものはなかったぽいと感じたのです。
因にその生態学の授業で出てきたの数式は、その森林の密度と樹高を示すの1つだけだった。嘘のような本当の話です。
そうこうしているうちにやっぱ浪人してたときに興味が合った数学の方が楽しくなったんで、結局数学か入り直すか考えた末、どう考えても数学で飯は食えんので、取り敢えず大学院は工学部の方へいった。ので、工学部出身でも一応バイオ関係の話も知っているのです。

生物と物理

それお同じようなことをやっぱ元ネタのとこにも書いてあって、今は物理の研究室におるらしいんだけど、それはその方が良いと思うのですよね。絶対に。
物理なんつーものは要するに熱力学の第一法則と第二法則をgdgdと展開していったもので、どうやら古典的な解釈のできる系ではエネルギー保存と、熱の擬保存性を適用すれば原理的に古典的な世界の現象は全て解釈することができる*1訳だから、そのような世界観を養っておくことは生物とかいった模糊とした対象を扱うにはとても役に立つのです。しかも数式と数学という体系化するのにかなり適した道具を持っているので、後々もっと高い視座から物を眺めることができるようになると思うのです。ニュートンではないけれど。


じゃあ実際に生物以外の分野での物理はどうってなると、我々は簡単にある分野を上げることができるのです。
分子化学とか、界面化学とか、その手の分野は今、MDとか、経路積分とかの草狩り場になってまして、従来のような連続体としてものを扱って、のほほんと大雑把なモデル化をして、かなり怪しい一次近似をして研究をしていた分野に、あるとき統計物理の方々が興味を持たれまして、計算機を使って、界面現象とか、高分子の振る舞いとかを数値計算を使ってとき始めたのです。
まあね、あれも難しい物理ではないのですよ。原理は簡単なのですがね、慣れのある人には。でもそういうのに触れてこなかった化学よりのスタンスできた界面とか、高分子の方々はもういつお役御免になるか冷や汗をかいてる訳ですよ。斯く言う俺もそういう所に少し身を置いていたので、あーこりゃ先は長くねーなと思ったのと、もっと俺様に数学をと思い、そのときですらかなり数学的なことをしていたのをもっとたちの悪い方へ進んだのでしたという痛い過去がある訳ですがね。高木禎吉さんの本とか、京大の数理研とか、良いよね、って思ってた。痛い。泣きたい。昔の自分を殴りつけてやりたい。だからおめーは(ryと。


そういうことで、数年前は、その手の分野のモデル化をして研究をするというスタイルをとっていた方々は今はもう実験屋に転校したりとか、そういうあれがあったりして、なんでそうなったかって、彼らにもう少し物理とか、数学の素養があれば別の方法を考えられたのかもしれないと今は思うのでうす。勿論、簡単なモデル化で現象を記述することに意味がないとはいわないのですが、それだけしか出来ないのはいかにも脇が甘いし、何より世の中の現象を簡単な初等関数の組み合わせだけで表現できる訳がないのですよ。
というか、お前ら、理論よりをいうならせめて特異摂動法とか、漸近解析とか、固有値問題とか、その程度の単語くらい知っててくれと思うこともある。あった。今は別にどうでも良い。


そんなもんで、数学と物理という道具を持っていれば生物というどでかい未開拓の分野には研究テーマが腐る程眠っていると思うんですが、さっき挙げた例のように生物の中の人はそういうのに対して嫌悪感を持ってるのかもしれないと思うこともしばしば。

これから物理に行くってことは、生物を4年間やってきたことを放り出して、卒研で実験も終わらせるってことだ。これじゃ生物やったことにはなんねぇよ。4年間ずっと物理をやってきた人間と張り合うわけだ。これじゃおまえ、生物の人間からみれば生物ではない、物理の側からみれば物理ではない、すっごい中途半端な人間になるよ?
http://elangel.exblog.jp/12072612/

という発言も、教員の性格になんが合ったかもしれないというのと、算数と物理を使った研究がいずれその分野を脅かすかもしれないという危機感の半々なのかもしれないなあと思った。
まあそこまで切羽詰まって考えてるかは知らないけれど。
しかしですね、生物をやるのに物理をやるのが無意味だとは全く思えない。別に物理の勉強なんて2年もあればできるし。俺は出来たし。
そういうことで、上のブログの中の人には頑張って欲しいものです。例え前途が明るくないかもしれなくてもそういうチャレンジは世間的に多いに意義があることだと思う。まあ大方のエロい人達は良い顔はせんだろうがな。まあ上手くいって、そういう所でデカい面をしてるじじい達を慌てさせられたらしめたもんなんじゃないでしょうか。
まあ、まあ、そういうことで、日々チャラリーマンしよっても、もっと世の中に数式をっ!!と思うのですが、如何せん日本の数学教育はバカな教師によって壊滅的に面白くないものにされているので、きっと無理なんだろうなあ。そして僕も教師になんて慣れる程忍耐強くもないし、教養もないので、どうにもなりません。

じゃあどうすりゃ良いかって

取り敢えずの所俺の知ってるバイオの研究室の学生という生き物は、やたら忙しい研究室での実験という名の雑用というか実験準備に忙殺されたり、クソ忙しい中で研究室の中で妙な連帯感が発生してなれ合いながらダラダラやってる印象があった。もともとなれ合いやすい人達がいたのかも知らんけど。
馴れ合い云々は良いんだけど、取り敢えずは大学という所は学生にそれなりに高度な教養と、それなりに深いかもしれない専門知識と、そこそこの就職先を保証する所だと思ってるので、少なくとも雑用に忙殺されるような体勢は改めるべきだと思うのです。よくバイオの実験室では学生はソルジャーとかいわれますけどね、金払って勉強にきてる学生に雑用させるって、どんだけって感じですわ。レストランに飯食いにいったのに、料理人に顎で使われて飯の準備を自分でして、大して美味くもねーもん食わされて、金だけは沢山踏んだくられるみたいなイメージ。
そりゃお金の関係も合ってしんどいんだろうけど、もう少しその辺の意識から変えるべきだと思うのですよね。何かね、苦行に耐えて、その先に、もし万が一運が良かったらアカポスもあるかもねみたいのを教員も学生も当たり前だと思ってるのがそもそもおかしい。普通は人間をこき使うとしたら最低賃金というものがあってだなとなるわけだけど、それを、いえ、これは研究と教育の一環でやってますとか言い逃れられそうなのがズルいよな。しかも我々の時代はとか、そんな感じで凡そ今の時代には通用しないような苦労話とか始まる訳で、不毛だ。
時間がかかるのは仕方ないとしても、試料の準備ごときに阿呆程時間を掛けるとか、バカ臭いことをしてるのはその分野だけであるということをもっと知らしめるべきですよねと。あんま詳しくないんで、つっこんだことはいえんのだけど、その辺から何かを変えてく必要があるんでないですかね。
といったところで、俺は、ねるねるねるね作るのも、ピペットマンを操るのも、全部機械にやらせてまえばええと思うんですが、そういうのって、出来ないんですかね?教えて生物の人。機械だと、NCとか使って、かなり作業性が上がっとるので、ついついそういうもんだと思ってしまうのですよね。というかだな、ピペットマン使うなんてな、機械でもできるんですよ。それを人間がやるのは、調整が複雑な試料を、まちまちの試験管なり、ピーカーなりにうつさんといけんからだと思ってしまうんだけど、その辺どうなんでしょう。それとか、ねるねるねるねなんて撹拌器とか、ホモジェナイザでええと思うんだけど、そこも謎。なんで機械に混ぜさせりゃ良いものを人がこねる訳?本当に理解できない。人がやる必要があるような繊細な撹拌なんだろうか。そうでなければ、ねえと思うんですけど。いよいよ謎は深まるばかりです。
まあこういうことばっか書くと、人間でないと出せない技とか、そういうオカルトっぽい方面に話を持ってく方もいたりしていよいよgdgdになるので、こんなもんで終わらすけど、それ程高い訳ではない機械を導入するだけで学生の負担も軽くなって、全体の効率も良くなると思うんだけどなあと思うんだけど、そういうことを市内人達なんでしょうか。もうなんだか何が何だか良く分からなくなってきたよ\(^o^)/。

*1:第一法則から運動方程式が出てきて、第二法則から散逸性とかその手のものが出て来る。ただし、熱の擬保存性というのは語弊があり、エントロピーの擬保存性といった方がいいのだけれど、エントロピーという単語を本文の中で使うのは面映いので、熱にしてみた。そしてこれはあくまで俺様のいる分野での話。