ある領域の中の圧力

一般的に非圧縮の運動方程式とかは、
  \text{div}\vec{u}=0,
  \frac{\partial \vec{u}}{\partial t}+\vec{u}\cdot\text{grad}\vec{u}=\frac{p}{\rho},
とかで書かれるけれど、これを保存則の形式で書くと、質量保存、連続の式、運動方程式になって、
  \int_{\Omega}dV\hspace{5mm}\frac{\partial \rho}{\partial t}+\int_{\partial\Omega}d\vec{s}\cdot\rho\vec{u}=0,
  \int_{\partial\Omega}d\vec{s}\cdot\vec{u}=0,
  \int_{\Omega}dV\hspace{5mm}\frac{\partial \rho\vec{u}}{\partial t}+\int_{\partial\Omega}d\vec{s}\cdot(\rho\|\vec{u}\|^2+p)=0,
になるわけだけれど、これだとあからさまな形では圧力は出てこない。
連続の式から流速を求めて、そこから運動方程式に解を代入して、圧力を空間積分しないと出てこない。で、圧力を空間積分するとなると、ある閉空間の中で圧力が一様としたときの圧力が出てこなさそう。出てくるのかも知らんけれど、あまり美しい形式ではない。そういうことで、これって実は完備された系ではないのではないかという疑問が。そもそもがある領域の中で圧力が一定という仮定自体に無理があるので、当たり前といえば当たり前ではある。
しかし一方で、圧縮性を考えた場合には、圧力の構成則を使えば出てきてしまうのですよね。つまり、圧力が密度だけで決まってしまうという直感的な仮定を用いて、dp/dρに何某かの規則性があるとすると、
  \int_{\Omega}dV\hspace{5mm}\frac{\partial\rho}{\partial t} = \frac{1}{\frac{dp}{d\rho}}\int_{\Omega}dV\hspace{5mm}\frac{\partial p}{\partial t},
になって、質量保存則から、
  \int_{\Omega}dV\hspace{5mm}\frac{\partial p}{\partial t} + \frac{dp}{d\rho}\int_{\partial\Omega}d\vec{s}\cdot(\rho\vec{u})=0,
とかなって容易に数値積分なりできるようになる。
で、非圧縮を仮定すると、dp/dρなんていうものはそもそも定義することが出来なくなって、まあ流体の構成則から圧力を出すなんていう器用なことが出来なくなってしまう。ので、やっぱ非圧縮の定式化っていうのはあまりうまいもんでもないのかもしれない。だけれど、構成則を見出すというのは余り美しい方法というのは今日まで発見されていないのも事実で、これまた悩ましい。やっぱり数値計算でやるようなMAC法とか、そういうのりのものをしないといけないのかも。
でもそれだと、ある閉空間のうちの、平曲面上の圧力はわかるけれど、中の圧力は割りとどうでもいいよ、っていうか知らなくても問題なくね?みたいな形にもなる気がする。
でもそうなると、連続の式が成り立つけれど、密度は外部からの質量の出入りで時々刻々変化しますみたいなものを扱う場合にはわからなくなる。なんとも悩ましい。
とりあえず眠いので寝るけれど、やっぱこれはBernoulliを出すときにやるような方法で考えるしかないのかなあ。でもそれだとどうなんだろ。非定常のBernoulliを考えて、速度ポテンシャルを無理やりに導入すればいいんだろうか。