圧縮性流体のいくつかの基本的な性質

これまでずっと波とか非圧縮性とか扱ってきたので、気体についてほぼ無知だったので、勉強し直しています。熱機関やるにはこれをしらないと話にならない感じっぽい。

臨界流速とか流量の極大とか

圧縮性がある場合には流量と流速は一次の関係に必ずしもなる訳ではないっぽい。非圧縮性流体でも密度以外に一様な場合にはその限りではないのだけど、圧縮性流体では密度変動もあるので、


Q=\rho u

としたときに、uが一定だからといって、Qが一定とも限らない。変数が増えると大変です。

その次に、じゃあ、流量は流速に対してどのような挙動をとるかというお話。
流量を、簡単に考えるために、質量流束で考えると、質量流束の流速についての微分を考えればその挙動を見ることができて、


\frac{d\rho u}{du}=\rho+u\frac{d\rho}{d u}

なのだけど、流速と密度の関係を音速の公式から考える。
つまり、音速はc2=dp/なので、

d\rho=\frac{dp}{c^2}

で、また、定常の一次元の運動方程式udu=dp/ρなので、

dp=\rho u du

になって、まとめると、

\frac{d\rho}{d u}=\frac{\rho u}{c^2}

なので、

\frac{d\rho u}{d u} = \rho \left(1-\frac{u^2}{c^2}\right)

になる。

で、これを一回微分すると、uが正のときには上に凸なのがわかり、かつ、u=cのときに極値をもつのがわかるので、u=cのときに質量流速が極大値を持つのが分ります。極大にして、最大。
なので、音速を境に流速と質量流束の間の関係に変化が現れる。
亜音速のときには、質量流束は流速が増加すると増える。これは直感的な流れについての話と同じイメージ。
超音速のときには、質量流速は流速が増えると減少する。これは直感とは反する現象。今、管がつねに同じ径であるとするとこのような話になる訳だけど、これが管径が変化する場合には、超音速の場合と亜音速の場合で様子が変わってきます。

今、連続の式から、


Q=A\rho u

で、Aを管断面積だとして、亜音速のときには、管の断面積が小さくなると流速は増加するけど、超音速のときには流速は減少するというお話。
また、流速が上がっても、質量流束が極値を持つので、ある流量以上はながせませんということが分ります。で、その最大の流量っていうのは流速が音速のときの流量で、これが臨界流量とかいうお話。また、流速が減るっていうのはラバーズノズルのことですかね。

衝撃波越しの連続量

衝撃波の波面をある境界にして、そこの境界条件を考えると、衝撃波っていうのはおそらく流速とか、密度とか、圧力とかの物理量が不連続な状態。じゃあ、境界越しに連続であっても許される量がなにかというと、質量流束、運動量流束、エネルギー流束で、衝撃波の手前が1で、後が2として、


[\emptyset]=\emptyset_1 - \emptyset_2

などというお約束をすると、それぞれの保存則は、

[\rho u]=0
[\rho u^2 + p]=0
\left[\rho u \left(\frac{u^2}{2}+h\right)\right]=0

になる。

で、u1=u2=0のときにはなんでもかんでも0になる自明な解が得られて、別にどーでもいー。
そうでない場合は、色々とくちゃくちゃ計算すると、


[\rho u]=0
[\rho u^2 + p]=0
\left[\frac{u^2}{2}+h\right]=0

が衝撃波越しに連続になる。ここでhエンタルピー。