第二変分の不定性

ある二次関数*1が極小になる条件は、その導関数が0であることは最低限必要な条件である。十分条件は二階微分が正であることである。というのは高校の2年生くらいでやった気がする。証明は面倒なので高校の教科書に任せるとして、これと同様の議論を任意の汎関数について行うことで、境界値問題が極小となるかどうかを確かめることが出来る。かもしれない。
いま、汎関数の二次の変分が
  \delta^2 J[h]=\Bigint_a^bdx[Ph_x^2+Qh^2]
で与えれれているとする。この一次の変分が0で、二次の変分が正ならその関数は極小で、物理的に安定していると考えることが出来る。安定/不安定問題を考えるときには二次の変分まで議論する必要がある。極大点は不安定な解で、極小点は安定な解である。とかんがえることができる。
ということで、安定解析のために二次の変分を考える。
ここでこの汎関数被積分関数は独立変数hについての関数だが、まあhとhxの二つの数を変数とする多変数関数であると考えることも出来る。そして、hが十分に小さくてもhxがでかいこともあるので、実際に多変数関数のような性質を持ってもいるので色々と面倒になる。
ここで二次の変分が正になるには被積分関数が何かの関数の平方なら必ず正になるので、それを補助的な関数wを導入することで達成する。この関数は任意のものでもよい。何故なら、部分積分の性質
  \Bigint_a^bdx[2whh_x+w_xh^2]=[wh^2]^b_a=0
となってしまうので別にもとの二次の変分についての汎関数積分値には何の影響も与えないからである。
ここで、二次の変分と上の部分積分を足すと、
  \delta^2 J[h]=\Bigint_a^bdx[Ph_x^2+2whh_x+\(Q+w\)h^2]
となる。ここでこの被積分関数が完全平方ならば適当なwを選ぶことで関数の安定性を議論することが出来る。安定解からwを差っぴいて、それについて考えればよいからである。


つーかvortex breakdownの論文は一人で読むのはしんどいので、最初に変分原理の勉強をして、そのあとゼミ全員で読む方向で、そして、これからの裏の俺の研究テーマは半無限領域での剪断流の安定性について...なんて難しそうなタイトルなんだ...


つーか夜中の12時まで冷房の効かない研究室でこんな下らない数学の計算を腹が減って脳味噌がクラクラするまで続ける俺はかなりの馬鹿だな。我ながら仲々の馬鹿だ。

*1:もっと高次でもよい。つーか何でもよい。任意の関数でもよい。