ある汎関数があって、それの変分を取ることで出てくる方程式*1が安定か不安定かを見るときに第二変分を取る。
要するに極値を求める問題で、その極値が極大(extremal)なのか極小なのかを見るときにどうするかを考えるのと同じだ。
高校レベルの数学での議論とこの議論は全く同じように扱えてしまう。
今、関数が冪関数で与えられているとすると、3次以下の関数ならば解の公式があるので、一般的な関数についてはその解の公式を用いて因数分解して、それから図形的に極大か極小化を見ることが出来る。つまり、簡単な二次関数fについては
となる。
なんつーか高校とか中学のときとか、この操作の意味がわからなかったけど、今になると鮮明にその便利さが分かる。利口になったぜ、俺。
そんな話はいいとして、ここでx=a, bでf(x)=0になる。で、この関数は[a, b]区間で負になる。という洞察をすることが出来る。
そして、平方完成とかいう技を使って、
となり、ここで、この関数f(x)はx=(a+b)/2で極大値をもつ。とわかる。
が、しかし、これがもっと一般的な関数になった場合には上のようなやり方は使えないので、微分する。
一回微分f'(x)について、f'(x)=0となるような点xで関数f(x)の傾きは0になるので、その点は極値を持つ、かも知れない。もたない場合も高校の教科書に載っている。要するにどういうことかというと、f'(x)はy=0をかするだけでは極値にならなくて、ちゃんと有限の大きさだけめり込まないといけないということである。どのくらい有限かは気分の問題。
で、極大/極小を考えるときには二階微分f''(x)について考える。
f'(x)=0となる点x'でf''(x')>0なら、x=x'で極小で、f'(x)=0となる点x'でf''(x')<0なら、x=x'で極大である。
前提として、f'(x)はちゃんと有限の大きさだけy=0にめり込まなければならない。
これと同じようなことを汎関数について行うと、微分方程式の解の安定/不安定を議論することが出来る。
汎関数の第一変分を取るのは、高校生がやるような関数の一回微分を取ることと同じである。
だから、取り敢えずその点で極値をもつ必要条件は示せるが、一回微分が0になるだけではその点で極値を取るかどうかは判定できないし、極大か極小かも分からない。
安定解析をする場合には極大か極小かが重要になるので、二階微分ははずせないのである。
そこで二次の変分を取り敢えず取ることにするが、二次の変分が正でないと極大にはならないので、汎関数の積分区間[a, b]の間では少なくとも正であってほしい。のである。で、そういうことで、色々共役点とかの話が出てくるのだが、まあそれは置いといて、もっと一般的にはどこでもその二次の変分が何かの関数の自乗ならその汎関数は至る所で正なのである。
ということで、汎関数の二次の変分は
だが、こんな海のものとも山のものとも知れないhとh'の二変数関数の完全平方なんてできっこないので、補助関数wを導入する。
補助関数は任意の形でよくて、
となってしまうので別にもとの二次の変分についての汎関数の積分値には何の影響も与えないからである。
ここで、二次の変分と上の部分積分を足すと、
となる。
もしもこの表式が
となればしめたものである。とするのがこれまでの話のまとめのようだ。
何故なら汎関数の被積分関数が何かの自乗なら、その被積分関数は絶対に負になることは無いから、そういう場合には解は安定になるのである。
まあそれだけで済んだらいいんだけどね...まだまだ続きがあるんだよね...
つーか、上の説明は今市捕らえどころが無いな。
もっと真面目に考えよう。