波の伝播

流体の運動は運動なので運動方程式f=maに従う訳で、力に圧力と粘性を入れると流体の運動方程式になる。また、運動方程式をうだうだ変形して大雑把な近似ををすると良く知られている-c2△φ=φttが出てくる。で、運動方程式から派生したものということでNavier-Stokes方程式という風にいわれる流体の運動方程式(他にも沢山あります)と波動方程式という風にいわれる流体の運動方程式の階は似た性質を持ってる訳ですよ。っつーことで、Navier-Stokesの解*1波動方程式の解みたいのがたまたまあったところで全然不思議じゃない。っつーことで、波も運動方程式の解になる。
ということで、流れの不安定性の解に波があっても全然不思議じゃない。寧ろデルタ関数を入力として与えると当然の様に波が解として返って来るはず。
という風にして流体の安定性の議論をするらしい。
そこで、線形方程式を仮定しておいて微分演算子の塊Dというのが、
  D\(\frac{\partial}{\partial t},\frac{\partial}{\partial x}\)=\frac{\partial}{\partial t}+U\frac{\partial}{\partial x}-\mu-(1+ic_d)\frac{\partial^2}{\partial x^2}
で与えられてて、DΨ=0のとき、その方程式はGinzburg-Landau方程式で、それはOrr-Sommerfeldとか、それを簡略化したRaylerigh方程式の更にモデル化したものなんだが、それで議論を展開することが出来る。
そこではまあGreen関数法を使うわけさ。
Green関数って言うのは何かしらの微分演算子*2っつーか写像Dとその解若しくは核の存在が与えられてたときに、その解を仮にGという関数にしてみて、そのGに写像若しくは微分演算子Dを掛けたときにデルタ関数が出るようなのを言う。要するに、
  D\(\frac{\partial}{\partial t},\frac{\partial}{\partial x}\)G(x,t)=\delta (x)\delta (t)
で決められて、境界条件がStrum-Liouville型のときの解の関数がGreen関数である。で、この意味するところは要するにパルスを与えたときの応答が解になって、擾乱が媒体をどういう風に伝達、伝播するかが分かるらしい。
で、線形波動を仮定して、解をexp(ikx-iωt)とかやって仮定すると分散関係式とか、数学で言うところの固有方程式が出てくるんで、それを使って色々考える訳さ。で、擾乱が無限大に発散したら不安定、0に収束したら安定になる。で、不安定で色んな場合を考えて、分類してくのが流体の安定解析である。
実際にGinzburg-Landauにexp(ikx-iωt)を入れると、Ginzburg-Landauの固有方程式は、
  D\(ik,-i\omega\)G(x,t)=\delta (x)\delta (t)
になる。時間と空間で符合が違うのはご愛嬌(反変形式という形式なんです。)。
まあ固有値問題だけでもいけるんだが、何となく解けそうな気がするのでこれをFourier変換とLaplace変換をする。
すると、x-->ik, t-->-iωになって、デルタ関数が1になるだけなんで、
  D\(ik,-i\omega\)G(ik,-i\omega)=1
と益々簡単になる。そして、解Gは代数的に
  G(ik,-i\omega)=\frac{1}{D\(ik,-i\omega\)}
になる。で、これを逆変換しておしまい。
なんだが、この逆変換での積分径路が不安定性の種類によって変わったり、値があったりなかったりするので侮れない。
というところまでは俺は理解した。

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*1:Navier-Stokesと書くと目立つから余り書きたくないんですけどねー。

*2:Laplacianだろうがd'Alambertianだろうが何でもいい