Fourier逆変換の積分路の取り方

普通の拡散方程式のFourier変換した奴は、大概
  \hat{\phi}=e^{-ak^2t+bk+c}
とかなるんだが、これの積分はまあ良い。誤差関数になるから。
でもFourier変換したのがうっかり得意点を内部に含むような
  \hat{\phi}=\frac{e^{-ak^2t+bk+c}}{k-k_p}
とかになると、k=kPで値が発散するので積分できない。
上の場合だと、積分は波数-∞から∞まで積分できるけど、下の場合には積分を簡単に-∞から∞に持ってくるのは無理なんで留数定理を使って小細工をしないといけないんだな。
やっともやもやしてたものが解消されたっす。
まあ特異積分は重要ですよね。
  I=\Bigint_{-\infty}^{\infty}f(x)dx\\=\lim_{r\to\infty}\Bigint_{-r}^rdx\vspace{5mm}f(x)
その次に半円上の周回積分を考える。
  \oint dz\vspace{5mm}f(z)=\Bigint_Sdz\vspace{5mm}f(z)+\Bigint_{-r}^rdx\vspace{5mm}f(x)=2\pi i\sum\text{Res}f(z)\\ \Bigint_{-r}^rdx\vspace{5mm}f(x)=2\pi i\sum\text{Res}f(z)-\Bigint_Sdz\vspace{5mm}f(z)
で、ここで下の右辺の第二項を評価する。これは半円上の線積分で、これはある定数に道のりを掛けたものでオーダーは評価できる。f(x)得意点を持ってはいても高々-n次の有理関数*1なので、そのオーダーは
  O\(f\(z\)\)\lt\frac{k}{|z|^n}\vspace{10mm}\text{where,} |z|=r
で、これに道のりの長さπrを掛けて、rを無限大に持ってくと、
  0\(f\(z\)\)\lt\lim_{r\to\infty}\pi\frac{k}{r^{n-1}}=0
よって、半円上の積分値は0くらいであることが保証されるので、
  \Bigint_{-\infty}^{\infty}dx\vspace{10mm}f(x)=2\pi i\sum\text{Res}f(z)
になる。なので結局留数を求めれば良いんですねー。複素関数美しいっすねー。

*1:全領域で全く特異点が無いのを整関数と呼ぶらしいです。