不快な界面

所謂deGannes流に言う不快な界面とは、不安定な界面であり、部分濡れの起こっている界面である。
可視化実験の結果、これまでの挙動が不審だった泡の性質は全てこの「不快な界面」が生じてしまっていることによるものであることが分かった。
実験的にはこの不快な界面を観察することは可能だが、計算によってこれを完全に再現するのは不可能だろう。まあ実験結果を後追いで確認することは出来るかもしれないけれど。
それでも、この「不快な界面」という言葉を覚えていたおかげで、Young-Laplaceの解が二つあること、そして、その片方は不快な状態にあることが見て取れて、まあ良かった。deGennnesって絵描かせれば上手いし、言葉遣いも巧みだし、数学も出来るし、物理も出来る*1しで、友達にするには途方もなく無理な人なんだけれど、こういうコンセプチュアルなことをやらせるとぴか一なので、最初の導入はdeGennesの本でやるのがいいのだろうなあ。当然その後の統計力学の話と結びつけてくところまではついていけないんですけどね...でも最初の方では馬鹿でも分かる書き方をしてくれてるんで、なんつーかすげー微妙。
そういう所はFaynmanの本にも見受けられる。
そういうのって出来る人特有のことかとおもいきや、Landauは最初っから最後まですっ飛ばし続けているし、Einsteinの相対論の日本語訳なんて、普通の人が読んだも訳わかんねーだろうから、やっぱ微妙だ。まあEinsteinのは論文であることもあるけど。

*1:なにせノーベル賞取ってるしな