多重調和関数

調和関数は△Φ=0を満たす関数だが、多重調和関数というのは、△2Φ=0を満たす関数らしい。というか、△nΦ=0でも良いらしい。
今、二次の多重調和関数、
  \triangle^2w=0
を考えて、その解を、
  w=\hat{w}(z)\cos (x-y)
とすると、上の方程式は常微分方程式
  \hat{w}_{zzzz}-2\hat{w}_{zz}+\hat{w}=0
になる。
固有値をλとすると、固有方程式は、
  \lambda^4-\lambda^2+1=0\\ (\lambda^2-1)^2=0 \\ \lambda=\pm1
になる。
そして、方程式の解は、
  \hat{w}=A\cosh z+B\cosh z
になる。が、4階の方程式で、固有方程式が重解を持つので、微分方程式の解の重解を求める。ここで、定数変化法のように解の形を、
  \hat{w}=u(z)\cosh z, u(z)\sinh z
とおく。
まんどくせのでcoshのときだけ考えると、uが満たすべき方程式は、
  \cosh zu^{(4)}+4\sinh zu^{(3)}+2\cosh zu^{(2)}=0
になる。
ここで、この方程式の自明な解として、
  u=x, x^2
が挙げられる。が、解の数は4つな筈で、この場合uはひとつのだけで十分なので、解の一次独立性を考える。ここでWronski行列を考える。
  \left|\array{z\cosh z&z^2\cosh z\\ \cosh z+z\sinh z & 2z\cosh z+z^2\sinh z}\right|=z^2\cosh^2z
で、z=0でWronskian、Wは0になるので、上の二つは一次従属な解。cosh zとzcosh zについてはWronskianはW=cosh2zになり、0を取らないので任意のzで一次独立になる。
よって、上の方程式の解は、どうやら、
  \hat{w}=A\cosh z+B\sinh z+Cz\cosh z+Dz\cosh z
になるらしい。
本当かよって感じだ。まあでもこれが最低限必要なものらしい。十分条件を考える場合は境界条件を考えるんだが、このときはまたWronskianがどーのだけでは話は決まらなくなる。
が、今は一般解だけ考えてるので、これでまあ良いことにする。
因にWronski行列式*1は、
  W=\left|\array{u & v \\ u_x & v_x}\right|
で決まる行列式

*1:Wronski行列式はWronskian