講談社がオタクの神経逆なでするような雑誌記事を書いたらしい

どうやらVoCEとかいう女性週刊誌が執事カフェに潜入取材をして、その記事を書いたのが波紋を呼んでる模様です。
なんつーかあの手のメイド喫茶とかって店内撮影禁止な訳ですよ。それを撮影して掲載するってのはどうかと思う訳です。その辺の知識も無いままに異なる文化圏に取材をするのは極めて危険なことなのではないかと。そしてその上その手の趣味を持ってる方々はネット絡みの知識にも通暁してる訳で、幾らでも叩かれちゃう可能性がある訳ですよ。
ということで、オサレを標榜する文化圏から、オタク文化圏に取材をするなら色々なしきたりの違いとかの基本的な知識を身につけてからそういう所に入らしてもらうのが礼儀だと思う訳です。で、それを怠ったら当然反感を食う訳で、いくらアポなしで電撃取材してっていうのが売りですと言った所で、それは自分たちはそれで良くても相手が困惑する訳で、とか思った訳ですよ。

http://slashdot.jp/articles/06/05/17/2238254.shtml

で、スラドの上の記事には簡単なサマリーしか書いてないのですが、下の方のはてなの日記には記事の詳細とかも書いてあるのですね。あとキャプチャもあったりします。

http://d.hatena.ne.jp/hagex/20060515
http://hagex.com/pic/2006/0515001.html

そしてそれを読んだら、なんつーかまあ色々とこりゃあ叩かれてもしょーがねーなみたいな記事を書いてたのです。ということで、記事からちょっと引用すると、

夢を売る場所に、圧倒的な現実感
大きく紹介されたのが、某女性週刊誌だからでしょうか。来ている女性がとっても庶民フレーバーです。
(色々と略)
「萌え」って、クオリア体験なんでしょうか……?秋葉原に20軒以上あると言うメイド喫茶ですが、働こうとでも思わない限り、女性の私達がそこに足を踏み入れることはまずありません。よって、「萌え」とは、あくまで「男→女」という関係性に生じる蜜な快感ということになるのでは?でも、どうせなら「萌え」クオリアなんていうものも、一度は味わってみたいものです。
(色々と略)
水をついでくれる「フットマン」と呼ばれる青年たちは、燕尾服にリボンでクラシカル。彼らが頻繁に水をついでくれること、従業員が皆コスプレなこと、言葉遣いが丁寧なこと、アフタヌーンティーの食べ方を丁寧に説明してくれたこと以外は、普通の喫茶店と変わりません。
(ちょっと略)
お客さんにコスプレ感が無く、そこは興ざめ。本当に楽しむなら、心身共にコスプレを忘れずに!私も今度はなりきりお嬢で行きます。
http://hagex.com/pic/2006/0515001.html

まあ太字にした所がどうよって思う所な訳です。
先ず、来ている女性がとっても庶民フレーバーって、ちょっ、おまなんですよね。庶民フレーバーって何だよと。もしかしてフレーバーって良い香りって意味で使ってるのかなあ?良くわかんねーなー。庶民臭いって意味で使ってるならちょっとげんなりですね。っつーかおめーらも庶民だろーよと思う訳です。まあ大手の出版社の編集とかだったら庶民じゃないのかもしれませんがね。
だからといって読者層に圧倒的に多い庶民をここで取り出すのはどうかと思う訳です。もし小馬鹿にする意図があって使ってるのなら、そりゃ叩かれて然るべきかと。
その次のクオリア体験とかいうのがこれまた良く分からないですが、一体どういう意味なんですかね?まあ良く分からないけど、知らない単語なんで取っておくかと。
で、その次のね、

水をついでくれる「フットマン」と呼ばれる青年たちは、燕尾服にリボンでクラシカル。彼らが頻繁に水をついでくれること、従業員が皆コスプレなこと、言葉遣いが丁寧なこと、アフタヌーンティーの食べ方を丁寧に説明してくれたこと以外は、普通の喫茶店と変わりません。

ってね、これって、メイド喫茶とか執事カフェってそういうもんなんじゃねーのと思う訳です。っつーかそれすら調べずに行ったのかよって感じです。いや、もしかしたら変な先入観を持たずに感じるがままを書くのを良しとしているからこういう書き方になるのかもしれませんけどね。
でもだからといってこれってば不勉強丸出しな書き方じゃね?って思うのです。
そして、最後の店にきてる人がコスプレじゃねーって、メイド喫茶とか執事喫茶に行く人はもしかしてみんなコスプレするとかいう偏見を持ってるのだろうかって感じなのですね。っつーかそりゃ勘違いだろと。
オタクではなくてもオタク趣味にそれなりにシンパシーを感じる僕としてはこういうネタはちょっとムッとするものがあるのです。何か秋葉にいる人はみんなオタクで、オタクはみんなコスプレしてって、おいおいそれは幻想ですからって感じです。よしんばそういう幻想を抱いてたとしても、それより正しい情報を発信するのがメディアの仕事な訳であって、それを投げ遣りに、客がコスプレじゃないから詰まんなかったとか、客から庶民フレーバーがするとかそのまんま書いちゃうのはどうかと思う訳です。
まあそれはそれで記者の人が見た事実と感想なのかもしれませんけどね。それでも、メイド喫茶とか執事カフェに行く人が必ずしもコスプレしている訳ではないとか、秋葉原には庶民的な服装の人が多いとか、メイド喫茶は中身は結構普通の喫茶店と変わらないという事実を先ず書いて、それに対してどういう感想を持ったかを書くのがこういう記事のそれなりにちゃんとした書き方ではないのかと思います。何か秋葉原という訳の分からない所にいる、オタクという未知の人たちを面白おかしく書いてネタにしてやろうという意図しか感じられなくて、とっても浅薄な印象を受けます。
もしそうだとするのなら、クオリアだとかなんだとかって糞食らえってなもんです。そうやって人の趣味とか身なりに勝手にヒエラルキーを設定して、その差を使って遊ぶような趣味の人たちと同じような価値観を持つのは真っ平ごめんなのです。っつーことでこれからもこのネタはしばらく続きそうですね。
そして、件の執事カフェが抗議した所、全然悪びれる様子もなく、謝罪する意図も無いみたいです。店の方としては撮影禁止っているルールをとってて、それを破られちゃあ謝罪の一つもしろやってことになるわけですが、それに対してそういう不誠実な対応をするってことは要するにそういうもんなんだってことなんですね。はいはいとっても良く分かりましたって感じですね。VoCEっていうのはそういう雑誌なんですねって感じです。

http://butlers-cafe.jp/modules/news/article.php?storyid=25