「減肉」管がぶっ壊れたらしい

原発の事故は減肉とあります。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040811-00000011-yom-soci

補足しますと、要するに流体の不安定運動が管を削ったってことです。
管を少しずつ細くしてくと、細くした先の流速は速くなります。ということで、流速が速くなると壁面近傍で乱流境界層というものが発達します。
この乱流境界層が十分に発達し他領域では、流れは剥離という現象を起こしまして、壁面の近くで逆流が生じます。
丁度海とか川の中に足を突っ込んだときに流れの下流側の皮膚の部分に何となく渦が出来てるのを体感するのと同じで、この「オリフィス」という部分の下の方では乱流境界層の発達による流れの剥離による渦が発生します。
この渦による管の破壊は粘性を仮定した条件下で生じるものですが、勿論粘性が無い場合でも管路の径が変わることによる管壁へのダメージというものも生じます。それから生じる現象としてキャビテーションというものがあります。記事によると「乱流」で削られたとのことなので、きっとキャビテーションではなく流れの剥離が原因だったのでしょう。
一般的に乱流による渦はキャビテーション程破壊的ではないと思われていますが、きっとその「予期しなかった」現象が事故に継ったのでしょう。何にしろ内部流れは厄介です。ストレスの行き場が管壁しかないので。
亡くなって仕舞った方々のご冥福をお祈りします。