日本の数学研究がピンチらしい

日本の数学ってそこそこレベルが高いと思ってた訳ですが、なんかピンチらしいです。どうやら人がいないとか予算が無いとか、そういう調査結果が出たらしいです。成果の面でも、論文の投稿数が伸び悩んでるとか。
まあ日本には京大数理研*1にネ申々がおわしまして日々算数の研究に余念がないと思ってたのですが、そうともいかないとかいう結果が出たようです。で、何が原因かって就職が無いのが原因で、それは数学知ってる人を上手く使えてないからなんじゃね?みたいな感じらしいです。
なのですが、純粋数学の人たちが活躍できる産業界の場所っていうのはどういうもんがあるのかなあとか思ってみたりします。例えばGoogleとかはPh. D.取った人しか採用しなくて、結構数学の要素を使ったアルゴリズムを使ってるとか、暗号も数論を使うとかいう話は聞きますけど、それがどうなのかは良く分からないのです。っつーことで、一応記事にはアメリカでは産業界にも数学者の活躍の場所があるけど、日本では大学がメインでみたいなことが書いてあるのですが、それって応用数学の人は確かにいるだろうけどさと思うのです。あとフランスとかロシアは数学が盛んで、応用数学が気違いみたいに出来る人がわんさかいて、そういう連中がEcole Polytechnique*2とかの工科系の大学で活躍して、それが産業界にフィードバックされてるというのもあるのかもしれません。
で、日本でも数学が必要だとはいわれてるみたいです。でもそうそう算数が好きな人たちの就職の状況がすぐに良くなるとも思えない感じです。

だが、他分野の研究者が数学に寄せる期待は大きい。アンケートで自分の研究テーマに数学研究者の協力がほしいか問うと、3人に2人がほしいと答えたほか、「半導体回路の設計やコンピューターのソフトウエアなどの設計で数学は欠かせない」「数学と他分野研究との交流の場が必要」などの意見があった。
http://www.asahi.com/national/update/0518/TKY200605170434.html

そして、調査結果のサマリーから、具体的にどういう分野で数学的な素養が必要なのかというのが乗ってたので、それをちょっと引用してみます。因にこの報告書のタイトルは、「忘れられた科学、数学」です。数学好きな僕にとっては結構ショッキングなタイトルです。数学って忘れられてたんだって感じです。

  • ライフサイエンス分野
  • 情報通信分野
  • 環境分野
    • 空間時間的変動を含む海洋環境の支配要因の多重連結解析、循環型社会の形成の数学モデル化、乱流及び乱流燃焼の統計理論、環境予測モデルに於ける数値解析など35課題
  • ナノテク・材料分野
  • エネルギー分野
    • 核融合プラズマ挙動の理論解析、確率論的安全評価など30課題
  • 製造技術分野
    • 複雑生産計画の最適化評価、技術が市場を拓く大きさや方向の数式化など18課題
  • 社会基盤分野
    • 地盤の接触構造の数式化、科学技術活動の計量分析など17分野
  • フロンティア分野
    • 空力弾性システムに対する幾何多元環による数学モデル構築など31課題

http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/pol012j/idx012j.html

だそうです。やっぱバイオや情報関係は色々とやることがあるんですねって感じです。

*1:数理解析研究所。略称はRIMSらしい。

*2:エコールポリテクと発音します。