Bessel方程式の解

http://d.hatena.ne.jp/S-ili/20061022#1161530801
から、Bessel方程式は積分形で、
  \phi=\Bigint_{-i}^{i}dz\hspace{5mm}\frac{e^{-zt}}{\sqrt{1+t^2}}
で書けることを示しましたが、これから、t∈Wの複素平面上で被積分関数が収束するのは±iと-∞なことがわかりました。ここで、収束する場所が三つあるので積分経路がどこかで分岐することになります。別にどの経路を取ろうが同じような結果が出てくるので、ここで、複素平面(ξ、η)上で、(0、i)→(0,0)→(∞、0)という経路を取ることとします。ここで、因みにt=ξ+iηになります。
そうすると、上の積分は、
  \phi=\Bigint_{0}^{i}id\eta\hspace{5mm}\frac{e^{-i\eta t}}{\sqrt{1-\eta^2}}+\Bigint_{0}^{\infty}d\xi\hspace{5mm}\frac{e^{-\xi t}}{\sqrt{1+\xi^2}}\\=-i\Bigint_{1}^{0}id\eta\hspace{5mm}\frac{e^{-i\eta t}}{\sqrt{1-\eta^2}}+\Bigint_{0}^{\infty}d\xi\hspace{5mm}\frac{e^{-\xi t}}{\sqrt{1+\xi^2}}
になります。
そして第一項について、もとの積分がη=iに特異点を持ってるので、(0,i)を避けて、(0、i∞)まで積分することで収束させることにします。積分経路としては、原点から虚軸上を(0,i)を避けて反時計回りに進んで、それからまた虚軸上を無限遠まで行く感じです。そうすると、iη=ξの変数変換から、
  \phi=\Bigint_1^{\infty}\frac{e^{-iz\eta}d\eta}{\sqrt{\eta^2-1}}
になります。
ここで双曲関数の性質から、η=cosh uとすると、
  \phi=\Bigint_0^{\infty}du\hspace{5mm}e^{iz\cosh u}
が出てきます。
また、これの実部と虚部はそれぞれ、
  J_0(z)=\scr{Im}[\phi]=\Bigint_0^{\infty}du\hspace{5mm}\sin(iz\cosh u)\\ Y_0(z)=\scr{Re}[\phi]=\Bigint_0^{\infty}du\hspace{5mm}\cos(iz\cosh u)
として、それぞれBessel関数とNeumann関数となります。っつーか最近やっと複素積分になれてきた。