複素平面上での方程式の級数解

特異点を内部に含む閉曲線Cについて、その近傍ではCauchyの積分定理、
  f(a)=\frac{i}{2\pi}\Bigint_C\frac{f(z)}{z-a}dz
から積分が与えられるので、Taylor展開、
  f(z)=\sum_{\nu}c_{\nu}(z-a)^{\nu}
として展開できる。
もしこの級数が方程式の解だとすると、これは微分作用素Lを掛けたら0になるので、f(z)=w(z)として、
  Lw=0
になる。
ここで級数の項別微分可能性の定理から、
  \sum_{\nu}c_{\nu}Lw=0
になる。
微分作用素Lをwに作用させて出てくる関数をf(σ)とすると、
  \sum_{\nu}c_{\nu}f_{\rho}(\sigma)z^{\nu}=0
になる。
上の関係が恒等的に満足される非自明解は、cとfによって作られる行列式が0になることなので、結局方程式の級数解は、上の行列式が0になるように固有値を求めることになる。
また、固有関数f(σ)は行列式の正準変換の過程である不変な値を持つので、f(ρ)=0を満たすようなものであるすると、σについての微分演算子も湧いて出てきて、
  L\frac{\partial^s}{\partial\sigma^s}L\bar{w}|_{\sigma=\rho_{\lambda}} =\frac{\partial^s}{\partial\sigma^s}c_0F(\sigma)z^{\sigma}|_{\sigma=\rho_{\lambda}}
になる。
ここで、zの冪数を埋め立てるためにσによる微分の結果は1/zが出てこないと困るので、
  \frac{\partial^s\bar{w}}{\partial\sigma^s}=z^{\sigma}\left\{\sum g_{\nu}z^{\nu}+\log z\sum_{\nu}g_{\nu-2}z^{\nu}+(\log z)^2\sum_{\nu-2}g_{\nu-2}z^{\nu}+\cdots
となり、結局方程式の級数解には対数関数が湧いてくることになる。