微小振幅波の方程式

所謂波動方程式って奴です。学部の3年とかで習うんだっけか。忘れた。これの玄上の擾乱の伝播の奴はとみに有名です。でも粗密波のはまあ色々あります。分子運動から帰納してくのとか。
なのですが、僕は流体の人なので、流体の支配方程式から書いてみようかと。つか何でこんなことしてるかって、有限振幅の方程式で色々と不具合が見付かりそうだからな訳ですが。
で、まあこれってば運動方程式と質量保存則から導けます。そして微小振幅波なので、高次の項は問答無用で落とします。運動方程式は、色々と面倒なので、最初っから線形化された非定常のBernoulliを使います。今、HをBernoulli水頭としておきます。
  \phi_t+\frac{p}{\rho}=H
これは圧縮性があっても成り立ちます。また、圧縮性を考慮した質量保存則は、
  \frac{\partial\rho}{\partial t}+\text{div}(\rho \vec{u})=0 \\  \frac{\partial\rho}{\partial t}+\rho\text{div}\vec{u}+\vec{u}\text{grad}\rho
になります。
そしてこれに速度ポテンシャルを導入すると、
  \rho_t+\rho\triangle\phi+\text{grad}\phi\text{grad}\rho=0
で、高次の微小量を落とすと、
  \rho_t+\rho\triangle\phi=0
でもって、圧力を密度について展開します。何でこんなことするかって、そりゃ粗密波だからで、密度変動と圧力変動が関係あるからです。ここで定常状態での密度をRとすると、
  p=p|_{\rho=R}+\frac{\partial p}{\partial\rho}\|_{\rho=R}(\rho-R)+O(\epsilon^2)
で、ここで色々と邪魔なものがついてるので、これを時間で微分すると、
  \frac{\partial p}{\partial t}=\frac{\partial p}{\partial \rho}\|_{\rho=R}\frac{\partial\rho}{\partial t}
になります。
で、これに質量保存則を代入すると、
  \frac{p_t}{\rho}=\frac{\partial p}{\partial \rho}\|_{\rho=R}\triangle\phi
で、これをBernoulliを時間微分したやつ、
  \phi_{tt}+\frac{p_t}{\rho}=0
に代入するけど、色々と面倒臭いから密度を定常状態のものとしておくと(微小変形論の範疇では密度の生の値はあんまし問題にならない)、
  \phi_{tt}=\frac{\partial p}{\partial \rho}\|_{\rho=R}\triangle\phi
になる。でもって、右辺の定数項は、次元解析すると速度の自乗のオーダーになってて、まあマンドクセから波速としとくかってことで、
  \phi_{tt}=\frac{1}{c^2}\triangle\phi
になります。
ということで、波動方程式の導出のフローは、

  • 質量保存と運動方程式を速度ポテンシャルを使った形で書く
  • 圧力を密度について展開する
  • それを質量保存に代入する
  • 更に運動方程式に代入する

ですね。