円筒座標系でのベクトルポテンシャル

流れ関数は二次元でのベクトルポテンシャルな訳です。ベクトルポテンシャルは軸性ベクトルなので、二次元になると上向きとか下向きとかのただの値になります。正だと上向きとか、負だと下向きとか。そして軸性ベクトルは極性ベクトルのrotを取ることで出来るベクトルです。まあrotでなくても外積でも良いんですが。そして極性ベクトルってばまあ普通のベクトルです。
そして今円筒座標系での流れ関数を考えるわけですが、公式を忘れたので、円筒座標系でのベクトルポテンシャルから出してみます。っつーかたまにはこういうのもかいとかないとただの暇人だと思われる悪寒が。
ベクトルポテンシャルをAとして磁場なり流速なりは、
  \vec{u}=\text{rot}\vec{A}\\ u_i=\epsilon_{ijk}\frac{\partial A_i}{\partial x_j}
とか書けます。上と下は同じ意味です。ベクトル解析の作法で書くか、テンソル解析の作法で書くかの違いです。
そして、直交座標系の場合はrotはただ単に襷掛けの計算をすれば良いのですが、円筒座標系だとか、球座標系だとかの場合には色々とそれではまずいので*1、もとの定義にもどって計算をする必要があります。
で、rotの定義は、
  \text{rot}\vec{A}= \frac{1}{h_1h_2h_3} \|\array{h_1\vec{e}_1 & h_2\vec{e}_2 & h_3\vec{e}_3 \\ \frac{\partial}{\partial x_1} & \frac{\partial}{\partial x_2} & \frac{\partial}{\partial x_3} \\ h_1A_1 & h_2A_2 & h_3A_3}\|
になります。これが相対論とかで4次元Minkowski空間とかを扱うときにどうなるのかは良く分からないっす。でもまあ直交座標系で良いんじゃんって感じで。でも核融合の炉とかを考えるときは訳分かんねー座標系でやらなきゃいけないのかなあと。それにSalusの公式は3次元正方行列までしか使えねーから一々余因子展開するのかなあとか。まあ俺しらねって感じですけどね。
とかいうのはおいといて、これを円筒座標系のときに適用すると、
  \text{rot}\vec{A}= \frac{1}{r} \|\array{\vec{e}_r & r\vec{e}_{\theta} & \vec{e}_z \\ \frac{\partial}{\partial r} & \frac{\partial}{\partial \theta} & \frac{\partial}{\partial z} \\ A_r & A_{\theta} & A_z}\| \\ = \left(\array{\frac{\partial A_z}{r\partial \theta}-\frac{\partial rA_{\theta}}{\partial z} \\ \frac{\partial A_r}{\partial z} - \frac{\partial A_z}{\partial r} \\ \frac{\partial rA_{\theta}}{r\partial r} - \frac{\partial A_r}{r\partial\theta}}\right)
で、これを二次元にしてみると、
  \vec{u}= \left(\array{\frac{\partial A_z}{r\partial \theta} \\ - \frac{\partial A_z}{\partial r} }\right)
になります。ついでにAz=ψとすると、
  \vec{u}= \left(\array{\frac{\partial \psi}{r\partial \theta} \\ - \frac{\partial \psi}{\partial r} }\right)
とかなって、Cauchy-Riemannで見たような感じのが出てきます。実際Cauchy-Riemannで出てくるのはこれの直交座標系のな訳ですがね。この場合は極座標系での場合です。極座標系の場合の流れ関数はこんな感じで定義されます。
ということで、これを使ってクタクタと解析をしようかと。

*1:外積計算だとかrotの定義にもどると、襷掛けで出来るのはたまたま直交座標系がそういう計算の規則を適用できるだけの話だからですね。円筒座標系とか、球座標系のように角度が絡むものは、単純に襷掛けでは出来ません。まあ教科書見れば良いだけの話なんですが。