細かい計算できない

http://blogs.yahoo.co.jp/engineer_ryuseigun/archive/2006/07/24

にある通り理系は細かい計算が得意とか思われてるかもしれません。が、しかしこれは恐らく技術屋と言われる方々で、骨の髄まで理系で、算数ばっかやってる基地外共は恐らく全くと言って良い程細かい計算が出来ません。
数学科の先生よりも訓練された小学生の方が暗算は速いだろうという、数学者が如何に抽象的なものを扱ってるかというのを示唆する都市伝説もあながち嘘ではなかったりします。というか、僕の周りには細かい計算が得意な人は少ない訳でして、やっぱり理系は細かい計算は苦手だと考えられます。
まあこの辺の得意不得意は多分に個人の資質に帰する所もある訳ですが。
話を変えまして、LandauのOというのがあります。
Landauっていうのはロシアのぶっ飛んだ物理学者で、人生で数回死線を潜る交通事故に遭い、その度に何故か生き残ったとかいう訳のわかんねー人です。恐らく現代の物理に於いてEinsteinと同じ位インパクトを与えた人と言っても過言ではないでしょう。確かヘリウム関係の何だかでノーベル賞を取ったような気が。
で、LandauのOなんですが、これをどう使うかというと、90は100のオーダーとかいうときに使います。若しくは、大体100くらいというときに、O(100)とか使います。
ので、99=O(100)とかします。
或は、もう少し数学的に書くと、99=O(102)とか書きます。
まあ実際は考えてる量がどの位の大きさのものなのかを考えるときに使う感じです。
で、理系の脳味噌の中では全ての細かい値はこのLandauのOによって処理されます。
実際に細かい所を積めるときには細かい計算をする訳ですが、そういうときになると今度は計算機を使います。なのですが、「無視できる位小さい」というセンテンスが喉から手が出る程欲しい世界にいる人たちにとって、何から何まで、無視しても良い位小さいような影響まで計算するのはかったるくてかったるくてしょうがないので、じゃあ何が具体的に無視できるのか考えようというときに上のような記号を使う訳です。
じゃあ実際に理系の脳味噌の中ではどうやって細かい計算を評価してるかを見てみましょう。
そもそもからしてまともな値を出す気はなく、「大体どの位か」ということにしか興味が無いことを念頭に置くと分かりやすいです。で、例えば、-9.8*85^2/2+50*85+100という計算をどうやるかを見てみましょう。
まず、9.8は10にされます。その次に、85の自乗も90の自乗にされて、81×100にされます。で、これで詳細な値を求めたいと思うなら、これから2500を引いたりします。やらないけど。なんですが、ここで81は怠いので80にされます。よって、最初のこうは、-40000になります。
その次に、50×85は、やっぱり50×90にされてしまいます。そして4500になります。やっぱりあとから450を引きます。で、これは4500か5000になります。
更に最後の100は小さいとか言って無視されてしまいます。
これによって、僕の中では上の計算は、-35000になってしまいます。この場合は-4万か-3万とかいう感じになります。因に、上の計算の正解は、-31052.5になります。で、これってば一番上の数値は合ってるんで、良いんじゃねっていうことになります。
まあ誤差はあるものの、一番上の桁の値が合ってるんで悪くはねーだろーという発想です。
で、これをいい加減と思うか、こんなもんで良いと思うかは場合によるし、個人の主観にもよります。が、こういう手法がそこそこ役に立つことだってあります。
例えば85の自乗が知りたいとき。しかも、これがどの位の値か知りたいときがあったとします。
じゃあ最初にどうするかというと、85は大体100のオーダーなので、100の自乗くらいのおおきさだろうということで、取り敢えず1万くらいじゃねと考えます。
その次に、じゃあそれだと荒すぎるから、85の端数が邪魔だろうということで、

802<852<902

という不等式を考える訳です。
すると、

6400<852<8100

という風になりまして、85の自乗は6400と8100の間っ子くらいの値だろうとなる訳です。じゃあ大体7500くらいだべと。
で、実際の値はどうかと言うと、852=(80+5)2=802+2×5×80+52となりまして、それは6400+800+25になり、7450で、まあざっと考えたのと大体同じ位になります。
また、上に書いたような不等式は、色んな訳のわかんねー方程式を解いたり、積分したり、極限を取るときにも使う発想です。
要するに訳わかんねーもんは訳わかんもんで挟んでみれば良いんじゃねーかという発想です。
まあこういうのも役に立つことがあるので、使ってみれば良いかと思います。割り勘の計算とか面倒臭いし。計算苦手だったし、小学生の頃。