何が分からないか分からない

実際のところ学部の頃はちょっと難し目の算数で自分がどこで理解がたり無くて躓いてたのかは克明に覚えてたので人に説明するときも注意できたんだけど、そういうイベントが度重なると最早何についてどこが良く分からなかったのかよく覚えてなくて、一体何が難しくて分かんないのか分からない状態になったりする。
もう今となってはFourier変換とかFourier級数展開の導出について初心者に分かりやすい説明を簡潔にやることは出来ない気がする。勿論Fourier変換が如何なる物かは知り尽くしてるけど、出発点から到着点まで余りにも自分の中で鮮やかに説明できてしまうのですよ。
ということで、その説明の経路が自分にとっては通りなれてる道で、ちょっと難しいところも慣れちゃった場合には難しいことは最早難しいことではなくなってしまう。けど、初心者にとってはそういうところはマジ無理っすと。
そういうことで、よく、

先生:何が分からない?
学生:何が分からないか分かりません

っていう会話が繰り広げられる訳だけど、これもひとえに学ぶ方が余りに初心者過ぎることと教える方が知り尽くしすぎてることによるミスマッチではないかと。
こういうのって車の運転でもいえて、坂道発進での半クラッチなんて初心者にはもう生きるか氏ぬかの瀬戸際なんだけど、慣れた人にとっちゃもう大脳を使うことなく、運動神経を司る小脳によるあれで操作できちゃって、一体何がむずかしーんだかよくわかんねー。
こういうマッチングの非合理性を緩和するにはまだちょっと初々しい奴が勝手知ったる奴の間に入って初心者を指導するのが良いんだろうなと。っつーことで、大学のTAという制度はそれはそれでかなり合理的なものだと思った。問題なのは俺がTAやっても先生と同じことしかいわないことなんだろうなと。

おまけ

とか言ったところで今の日本で数学なんて出来たって給料の足しになんてなりゃしねーし、理系の学卒の資格がありゃ少なくともワーキングプアだとか負け組になる確率は低くなるので、そんなもん華麗にスルーして下さって一向に構わない訳ですが。この辺は大学に入ったとして何をするべきかという人それぞれの美学に依る所なんで色々と言えますが。
俺の場合は、大学なんて、

  1. 理系の学卒ならどっか就職あるべ
  2. 勉強なんてそこそこにして4年間遊んで暮らすぜ

とかそこそこ楽な人生を回収するための投資としてちょっとだけ受験勉強をガンガるっていう不純な動機で当初は入った人なのでそう思う訳ですが。尤もその後初心を忘れて大学院なんぞに入院してしまったんですけどね。しかも中々退院できない。
遊んで暮らして仕事があって、後々もそこそこ保証されてるなんてムシが良過ぎるとか思われるかもしれませんが、案外普通の人はこういう認識で大学に行くんじゃまいか。しかもそれがそうあるべきかどうかという議論は置いておいて、現状のシステム下ではそれが最適なものであるとしたらそれもあながち否定されるべきものでもない希ガス。そういうふにゃらかした、おちゃらけた連中も世の中には沢山居るということで。
まあ最近じゃ大学も工学部なんかは外部からの審査*1があったりして結構厳しいみたいですが。俺の頃は単位が空から降ってきたwとかいって遊んで暮らしてるように見えても、実は人間物凄い緩やかながらも多少は成長するらしく、それなりに知識は身につけたたりするように見えることもあるから侮れない。
っつーことで勉強しない大学生は怪しからんと思う場合は是非改善して頂きたい。

*1:JABEEっていうんだっけ。