Kelvinの循環定理

流れの中にある閉曲線を作る。その閉曲線は流れの影響を受けて変形するとする。そうすると積分経路が時間的に変化することになる。
  \Gamma (t)=\oint_{C(t)}d\vec{s}\cdot\vec{v}
ここで線素dsについて、sは閉曲線の座標なので、直交座標とは、
  d\vec{s}=\frac{\partial\vec{x}}{\partial s}ds
という関係を持つ。
これを頭の片隅にいれつつ、上の循環を時間微分すると、
  \frac{d\Gamma}{dt}=\oint_{C(t)}\left(\frac{d (d\vec{s})}{dt}\cdot\vec{v}+d\vec{s}\cdot\frac{d\vec{v}}{dt}\right)
になる。
右辺第一項を上の線素sと座標系との関係を用いて変形すると、
  \frac{d(d\vec{s})}{dt}= \frac{d}{dt}\frac{\partial\vec{x}}{\partial s}ds\\ =\frac{\partial}{\partial s}\frac{d\vec{x}}{dt}ds\\ =\frac{\partial}{\partial s}\vec{v}ds\\ =\frac{\partial\vec{v}}{\partial s}\cdot\frac{\partial\vec{x}}{\partial s}ds\\ =\frac{\partial\vec{v}}{\partial s}\cdot d\vec{s}\\ =d\vec{s}\cdot\text{grad}vec{v}
になって、これを元に戻すと、
  \oint\left\{(d\vec{s}\cdot\text{grad})\vec{v}\right\}\vec{v}+ \oint d\vec{s}\cdot\frac{d\vec{v}}{dt}\\ =\oint d\vec{s}\left(\frac{1}{2}\text{grad}v^2+\frac{d\vec{v}}{dt}\right)\\ =\oint d\vec{s}\left(\frac{1}{2}\text{grad}v^2-\frac{1}{\rho}\text{grad}p+\vec{F}\right)
ここで、ds・gradはdsd/dsなので、書き換えると、
  \frac{d\Gamma}{dt}=\oint ds\frac{\partial}{\partial s}\left(\frac{1}{2}v^2-\frac{p}{\rho}\right)+\oint d\vec{s}\cdot\vec{F}
になる。
ここで、pとv2が正則だった場合には積分は0になるので、循環の時間変化は外力だけに依存する。外力も何かのポテンシャルによって決められる物だった場合には微分係数は0になるので、結局循環は時間的に変化しないことになる。
これによってHelmhlotzの渦定理と同じような結論を得ることができる。渦の強さは時間的に変わらないとか、積分経路をreduceしてくと渦中心の流体要素になって、その軌跡は時間的に変化しないから渦核の流体は動かないとか、同じ循環の強度の面が求められるとか、そういうの。