Orr-Sommerfeld方程式の漸近解

漸近解っていうのはまあ漸近線と同じ様なイメージで、無限遠で厳密解に漸近していくような解のことをいう。或は、どーせ微分方程式なんて解けやしないんで、無限遠に注目して、十分に離れた場所とか時間での挙動だけ分かれば良いやと悟ることを漸近解を求めるという。で、無限遠で発散すればそれは不安定だったりするわけで、みたいな感じ。
今のところOrr-Sommerfeld方程式の漸近解に注目してる。それがどんな形かというと、
  (U-c)\left(\frac{\partial^2}{\partial y^2}-k^2\right)\phi -\phi U_{yy}=\frac{1}{ikRe}\left(\frac{\partial^2}{\partial y^2}-k^2\right)^2\phi
みたいな形。ReはReynolds数。無次元化された運動方程式では動粘性係数の代わりにReynolds数が入る。
でもって、これの無限遠での挙動を調べるわけだが、yが無限大の極限では主流Uが、
  \left\{\array{U=1\\U_{yy}=0}
という風に仮定する。まあ主流だし、無限遠で定数にならないとあれだし、速度勾配も0にならないとあれだって感じ。で、この条件を上の方程式に代入すると、
  (1-c)\left(\frac{\partial^2}{\partial y^2}-k^2\right)\phi=\frac{1}{ikRe}\left(\frac{\partial^2}{\partial y^2}-k^2\right)^2\phi
となる。で、これはさらにまとめられて、
  \left(\frac{\partial^2}{\partial y^2}-k^2\right) \left\{\frac{\partial^2}{\partial y^2}-k^2-ikRe(1-c)\right\}\phi=0
ってなる。これは多重調和な方程式なんで、解は振動解が得られて、
  \phi=\left\{\array{e^{-ky}\\e^{-\sqrt{k^2+ikRe(1-c)}y}}
になる。
ここで、上の方の解は波数だけの関数で、下の方は粘性も含む解になってる。というのが得られる。というところまでは分かった。