時間の矢

所謂、「失われた時間の矢」の問題について、それなりに皆さんが納得するような見解が出たらしいです。なんだろう、どうやら特殊相対論の範疇ではこの世界はどうやら4次元Minkowski空間上の幾何学ということになるのだけど、その空間上の曲線の方向について何がそれを決めるのかというのが謎で、そこに熱力学の第2法則が絡んできて、方向性を決めるのがエントロピーの増減ということで良いんだろうか。
そして、問題なのは、古典物理において粘性散逸を考える段になると、それは美しい変分原理から求めるのは無理っぽいということなんですよね。そりゃ運動方程式は並進対称と、時間対称だったかだけしか仮定してないからなあ。あと、空間的なisotropicityがないとポテンシャルが定義できないんだっけか。
ので、そこに散逸を入れるとなると、かなり苦しい形でLagrangianを決めないといけないんだけど、そもそもLagrangianの決め方すらもある種の必然性がある訳で、なんかもうというところで、それ以上は調べてないので良く分からん。

要するに、エントロピーを減少させる出来事は起こり得るが、それを「系の中から観察する」のは不可能というわけだ。この理屈を、おそらくは1つの閉鎖系であるはずの宇宙全体に当てはめることもできる。宇宙全体のエントロピーを減少させることは可能であっても、われわれはその系の中にいるため、そのような出来事を自ら観察することはけっしてできない、というのだ。
http://wiredvision.jp/news/200909/2009090723.html

しかしですね、この手の話は俺も含めて良く分かってない人達が色々とそれらしいことをいって良く分からんことになるので、注意が必要です。特に物理と数学について十分な素養を持っていない人がそういうのを語りだして、とかなるとすっげー微妙な気分になる。
あと、この熱力の話と絡んで、時間の矢の方向を決めるにはエントロピーの増減を規制する何かが必要かもね、みたいなペーパーが出たとかいう記事を見た。どこでだっけか。まあそのうち昔のログを漁れば出て来るんだろうけど。