サッカーのW杯が始まった

さて、サッカーのW杯が始まりましたが、1995年に南アフリカラグビーのW杯がありました。
ちょうど南アフリカアパルトヘイト政策をやめた矢先の出来事で、それまでは南アフリカは国際的なスポーツイベントからも隔離されていて、ラグビー南アフリカ代表は昔はそれはそれは強くて、北半球5ヶ国(イングランドウェールズスコットランド、フランス)と南半球のニュージーランドとオーストラリアに対して勝ち越していたチームだったりしたらしいです。
それでも好奇心はあるもので、代表同士の試合は禁止されていたけど、地域代表とか、そういうのの試合は認められていたので、地域代表は多数派遣してたりしました。特にニュージーランドキャバリアーズという代表チームとほとんど同じメンツのクラブチームを作ったりして南アフリカに派遣したりしてました。*1
映画でインビクタスなんていうのがあって、南アフリカラグビーチームは弱かったとかいうことになってますが、それはとても失礼な話で、フランスとしょっちゅうガチあたりのひでー試合をしてた、ソ連代表が南アフリカ代表と試合したときにガチすぎて泣きながら試合してたとかそういうチームです。日本代表は未だに南アフリカ代表と試合を組んでませんが、これは日本代表が南アフリカ代表と試合したら死人がでるだろうというIRBの気遣いと、日本協会のビビリの賜物かと思われます。
さて、そうして迎えた1995年のラグビーのW杯ですが、決勝戦ヨハネスブルグで行われて、まあ標高が高くて空気の密度が低いので、空気抵抗が減ってやったらキックが飛ぶというのに各チームがビビるといったようなことがありました。高知への順応なんかよりも、意図しないキックののびがあり、タッチキック蹴ったつもりが、ゴールライン割ってしまったでござるとかそういうのがあったような気がします。
それはきっとサッカーにもにたようなことがあるはずで、特にフリーキックなんて軌道が大きく変わるはずです。これまで日本代表は1500mを超える高地で練習をしてないようですが、特にセットプレーなんか対応はしてるんでしょうか。いろいろとアクシデンタルなことが起こりそうで今から見物です。
特にカーブをかけるようなフリーキックとか、コーナーキックとかは混乱を来しそうです。ゴールキックも思ったよりものびたりしそう。
こういうことはいつだかの野球のワールドシリーズコロラドロッキーズの試合でもあったような気がします。忘れたけど。
ちなみに1995年のラグビーのW杯は南アフリカが当時のニュージーランドの巨体な上に足の速いジョナロムーを抑えきって、結局は両チームのスタンドオフの、ジョエルストランスキー(南アフリカ)と、アンドリューマーテンズ(ニュージーランド)の蹴り合いになって、結局はスランスキーの足で南アフリカがW杯をとりました。
この大会以降、ゴールポストの前にディフェンスプレーヤーはいないというようなディフェンス重視のラグビーに変わってきました。元はと言えばラグビーはトライ後のコンバージョンゴールと、ドロップゴールで点数を競ったものですが、試合の展開を重視してトライに点数がつくようになったものの、さらに協議が進化してトライをとるのが難しくなりすぎたため、結局蹴り合いになったというある種の先祖帰りがみられ、それ以降その傾向は今日まで続いています。イングランドが優勝したときのラグビーのW杯も結局はイングランドのジョニーウィルキンソンの足でロスタイムに勝ちが決まりました。なんかいろいろと懐かしいな。

標高が1500のときにボールの軌道がどうなるかって話

空気の密度は簡単にBoltzmannの公式からでてきて、確かこんな形。統計力学の本によく載っている(e.g.ランダウ、統計物理学、pp.136-140)。
  \rho=\rho_0e^{-\frac{\rho gh}{kT}
標高が0mで、標準状態の空気の密度は1.3kg/m3なので、ρ0は1.3で、gは9.8m/s2で、kはBoltzmannの定数で、1.38x10-23J/Kで、温度はまあ300Kくらいにしとく。
ここで、高度hは1500mとかしとこうか。あとは、これは空気分子1つについての話なので、その換算も必要。つまり、空気13になんぼだけ粒子があるかという話を考える必要がある。これはアボガドロ数と分子量で計算できるはず。アボガドロ数が6x10-23(/mol)とか、その辺。高校の科学の教科書でいけるまず。
そうすると、標高が1500mのとこの空気密度は0mのところと比べると0.84倍になるので、1.084kg/m3になる。軽いな。
そして、減衰についてはStokesianで考えればいいので、
  \rho\frac{\partial u}{\partial t}=\mu\triangle u
とかだった気がする。これから馬鹿の一つ覚えのStokesの沈降速度計算に使う抵抗力が、
  F=6\pi\mu R U
で、ここで、μは粘性で、Rは球の半径で、Uは沈降速度。これと、重力を比べると沈降速度が出てくる。沈降速度は、
  U=\frac{d_B^2(\rho_B-\rho_A)}{18\mu}
になる。dB、ρB、ρAはそれぞれボールの径、ボールの密度、気体の密度。ここで、気体の密度が小さくなるので、ゆっくりボールが落ちますねなのだけど、種々の資料がないので、どうにもよくわからん。ボールの大きさも、重さもわからんしな。
ということで、毎日新聞から。

http://mainichi.jp/enta/sports/soccer/10fwc/hyoukou/

というのと、当然Reynolds数も変わるので、カルマン渦のできかたも変わってきて、ボールのぶれが変わるはず。どうなるかまでは忘れた。