波面の運動学的境界条件

波面があったとして、その関数がζで表されるとき、波面の関数と、波面上の座標は場所が一致してないと困るというのが運動学的境界条件
今、波面と言うのは波高ζとして、二次元平面上の場所(z,y)の関数として、ζ=ζ(x,y)という風に表される。一方で、波面の座標はz=ζになる。そしてこれは時間的に変化すると困るので、(z-ζ)t=0になる。これが運動学的境界条件
これを極座標系に書き換えると、波面の関数は、
  \zeta=\zeta (\theta, z, t)
になる。
一般的に時間が経って波面の座標と波高がずれても困るし、ある時間で異なる値を取っても困るので、運動学的境界条件は、
  \frac{d}{dt}(\zeta-z)=0
という風になる。
別の書き方をすると、流速は変位の時間微分であるということから、
  w=\frac{d\eta}{dt}\\ \frac{dz}{dt}=\frac{d\eta}{dt}
になる。
ここで微分を真面目に書いて、更に渦無し非圧縮から仮定される速度ポテンシャルを導入すると、運動学的境界条件は、
  \zeta_t+\text{grad}\phi\cdot\text{grad}(r-\zeta)=0\\ \zeta_t+\left(\array{\phi_r \\ \frac{\phi_{\theta}}{r} \\ \phi_z}\right)\cdot\left(\array{1\\-\frac{\zeta_{\theta}}{r}\\ -\zeta_z}\right)=0\\ \zeta_t+\phi_r-\frac{\phi_{\theta}\zeta_{\theta}}{r^2}-\phi_z\zeta_z=0
になる。
線形解析の範疇では、εの二次以上の項は無視するので、直交座標系での表式と同様に、
  \zeta_t+\phi_r=0
になる。