雲取山

今年の夏は気合い入れて山に行こうと思ってるので、その練習に雲取に行きました。
まあ土曜日は雨が降ってたのですが、それ程ひどい雨でもないし、僕の中では雨はやむことになってたので、行くことにしました。っつーかそれ程危険なルートも無いし。
で、まあなんつーか鹿さんが沢山居ました。(「続きを読む」をクリックすると続きが読めます)




奥多摩の駅前に車を停めて、行く先を決めてなかったので、奥多摩駅前から出るバスに取り敢えず乗ってみるみたいな感じでコースを決めました。なんつーかこのいい加減さはA型としてどうかと思う訳ですが、あくまでA型は几帳面で完璧主義というのは物凄い勢いで都市伝説だと思う訳です。
っつーことで既にこの時点でgdgdです。そして結構マイナーな日原*1から雲取の南にある鷹巣山を目指しました。で、まあ日原側はこう配がきつい訳です。でもって一泊の登山では食事の豪華さが重要だと考える僕は色々と食い物を買い込みまして、一泊なのにザックが20(kg)とかなんとかあまたの悪いことになったりしまして、それでまあコースタイム通りにはつかない感じになったのです。それに雨も降ってたしね。でも雨も悪いことばかりではなくて、でっかい木に付着してる苔の上を雨水が伝わってくるなんていう風流なものも見れたりしたのですね。良かった良かった。
なんというか、苔ってばどうやら銀閣の庭園では凄く重要視されてて、苔を草っ原に見立ててるようなのですね。そして銀閣の庭園では苔の養生をしてたり、苔を20種類くらい展示してる訳です。そしてその苔で作られた庭はそれはもう東山文化の粋な訳で、あそこでいくらでも遊べるっつーか、庭を見て楽しめる感じなのです。
で、その銀閣ですっげー苦労して維持してる苔が、この辺に来ると雨がどばどば降ってしょっちゅうしけってるので、かなり良質な苔がその辺の倒木とか岩とかに普通にこびりついてるのですよ。
そしてそれはもうかなりな景色な訳ですよ。なんつーか僕が見てきた日本庭園、あるいはナウシカの世界がそこらじゅうに広がってるみたいな。まあ庭作る人がこの辺の山の中の環境を再現しようと思ったのでしょうが。っつーことで、山の中の環境を苔まで再現しようとする日本人の美意識とかにちょっと感動しましたよ。そして庭園で苔を触るとかはちょっと憚られるものがあるのですが、この辺りだとなんせそこら中にあるのでそりゃもう触り放題なのです。そしてその手触りがこれまたかなり素敵な感じで、苔すげーーってなるのです。道ばたに生えてたら除去されちゃうけど。
そしてその苔もやっぱ色々種類があって、また、苔が作った土壌にシダが生えて、そこにまた一年生草本が生えて小さな花が咲いてたりなんかして、高々1(m2)の面積の所に物凄い凝縮された植物生態系を観察することが出来たりして、山すげーーーって思う訳です。これまでそういうのってあんまし気にしないで登ってたのですが、今回のコンセプトはgdgdするだったので、そういう所も見たりして結構贅沢な時間の過ごし方をしました。それにしても日本の山は凄いと思いました。そして生物齧ってて良かったなあと。



で、最初の予定では雲取の頂上の避難小屋に泊まる予定だったのですが、雨だし、だるいので鷹ノ巣の避難小屋に泊まりました。
それでまあ小屋には3時頃について、それから小屋の入り口でウダウダしてたのですが、そしたら鹿の親子が気を消して近づいてきました。どうやら人にかなりなれてるっぽく、結構な距離まで近づいてきました。






普通鹿鹿に限らず野生の動物ってば人間とか見るとすぐに逃げるのですが、この鹿の親子はどうやら人間になれてたっぽいのと、僕らが殺気を発散してた訳ではないことからかなり長いこと小屋の前でにらみ合ってました。
そして鹿はそのにらみ合いに飽きた後、小屋の裏っかわに回りまして、一心不乱にある一カ所にある枯れ落ち葉をムシャムシャ食ってました。そんなに美味いのかよって感じで、そこの場所にあるのだけ物凄い勢いで食ってました。でまあ余りにも熱心に食ってるので、近づく訳ですが、それでもこっちを警戒しながらムシャムシャ食ってるんです。っつーか普通はその時点で逃げるものなのですが、その鹿はずぼらなのか、こっちが舐められてるのか、草をムシャムシャ食って、たまにこっちの方を見て警戒するみたいな感じでやってました。っつーことで、ここから鹿との達磨さんが転んだが始まる訳です。



最初はこの距離だったのが、だんだん鹿もどーでも良くなってきたのか、最終的にはこの距離まで近づくことが出来ました。っつーかこいつどう考えても人間に餌付けされてますよ。そしてこの鹿が食ってた草の所にはきっとこれまで来た誰かが残飯を捨てていって、その味がこびりついてるんだろうなあって感じです。






次の日は最初は雨が降ってたのですが、雲取に近づくに連れて日が射してきたり、雲が晴れてったりしました。マジでビビりましたよ。僕はかなり晴れ男な訳ですが、ここまであからさまに目的地につく直前に晴れるとかは初めてです。



しかも何が凄いって、雲取が丁度眺められる小ピークを過ぎて、山頂まであと10分っていう所でラピュタに近づいたら雲が晴れましたみたいな感じで、ぱしぱしと雲が風に乗って晴れてったのですよ。マジでビビりました。っつーか普通映画でもここまでベタな演出はねーよって感じです。こんなネタ持ってても絶対却下されちゃうよって感じです。そして僕も結構な数山に登ってるのですが、ここまで劇的に、山頂のすぐ手前でいきなり雲が切れるっていうのは初めてでした。運がいいんだか何だかって感じです。



そして、山頂について、余りにもすげータイミングで晴れたので、とっても気分が良く、2時間程飯を食いながらグダグダしました。それにしてもいい天気だった。そして山頂から稜線を眺めるとこれまたこの山特有の、高山でも低山でもない景色が眼下に広がるのですね。マジでいい景色です。



それでそこでグダグダしてから下山したのですが、この辺はツツジが多くて、その季節はすげー奇麗なのですが、今回はどうやらまだ時期が早かったみたいで高い所にはあんまし咲いてませんでした。そして下に下ってったらだんだん咲いてるのが増えてきまして、やっぱ山って高い所に行くと気温が下がるんですねっていうのが実感できました。


*1:「にっぱら」と読むみたいです。