北海道の山

北海道の山で登山者が遭難したとかいいますが、いつもこの手のニュースを聞いて思うのは何で気象条件や、体力的な条件が揃っていないのに登ってしまうかということなんですよね。俺もかれこれ15年くらい前からチマチマと山登ってますけどね、山に登るということは、氏ぬ確率が高い場所に自分から行くってことなんですよね。気温は低いし、水も食い物も限られた所にしかないし、移動手段は自分の体だけだから、怪我したら動けなくなるし、道路標識だとか、そんなもんはないので、地図が読めないと道に迷うし、天気はすぐに変わるし、大凡これだけ人間が生きるのに相応しくない環境もない訳で、そういう所に行くってのはよっぽど条件が揃ってないと行きて帰って来れないものだと認識しております。
こと、北海道の山というのは本州の山とは全く別物でして、小屋無し、道無し、水無しで、更に人間を襲う方のクマ(ヒグマ)がいるような山ですから、氏ぬ確率というのは本州の方の山に比べたらそれはそれは高くなる訳です。もう俺も会社勤めをしているので、北海道の山とか行けねー。予定通りに帰ってこられる確証がほぼないし、そんな休みとれないし、そもそも休みとれたとしても必ず行きて帰ってこられるとも限らないし。
まあ今回事故があった所は北海道の山の中でも人の多いとこだったので、道と小屋位はあったろうけど、それでもやっぱり標高1500mで森林限界になるとか、夏でも気温は低くてというのはある訳で、それを旅行会社がどの程度把握して客に情報を提供していたのかとか、考えるとまあなんともこの手の商売というのは大変だなあと思います。こと、行かない判断を下すっていうのはかなり難しい所がありまして、仲間内なら何とかなるものの、ツアーとかそういうのだとお金の話とか、各種手配関係の話が絡んできてストップを掛けるのが難しいと思うのだけど、その辺の判断は誰が出したんだろうとか、判断基準があったんだろうかとか、気になる所は多々ある。それよりなにより、それまで山に登る気満々だったのを、天気が悪いからやめますとか、中々いえないというのがかなりデカい。しかもそれが自分で計画を立てたことのないような、リスクの見積もりとか考えたことのない連中に対してなら尚更。別にそういう人達の趣味を批難するつもりはないけれど、もう少し山登りっていうのは危険な趣味だというのを認識して頂きたいものです。
しかしあれだ、遭難リスクの高い都市を召された方々を山に連れてくなんていうの、おっかなくて商売に出来ねーよ俺は。しかも北海道とかいったら、もう絶対無理でして、大人しく筑波山でも登っててくれるくらいが丁度いい。こんかいの事故についても正直な所をいえば、北海道の山で、天気が悪くて、体調の悪いのがパーティーにいたとかいったらそりゃ絶対事故になるわと。せめて体調の悪いのをつまみ出して、麓に置いて来るかしないと碌なことにならないです。更にいえば、天気が悪い時点で中止するべきだったんじゃないかと。しかし大概山に登りたがる爺さん婆さんなんてのは分からず屋で、我が侭で、体力に自信があるつもりのが多いので、やっぱ無理だったのかもとも思うし、難しいです。改めて中高年の登山ブームというのに冷や水がぶっかけられた感じですが、これからどうなるんですかね。しかし山渓とか、種々の登山用品店のライトユーザ指向は半端なく、そりゃ金持ってるのを集められるからそっちのが儲かるんだろうけど、どうなんだろうと思うことも多々ある。キャンプ場でテントはって水遊びしてるくらいが丁度幸せな感じな人々も多いだろうに、山に登りましょう山に登りましょうと宣伝するのってどうなんだろうと思う今日この頃。

http://www.asahi.com/national/update/0717/TKY200907170203.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/トムラウシ山