運動方程式をFourier変換してみる

運動方程式をFourier変換してみる。格好つけてテンソル解析の形で書いてみる。ついでに非圧縮の質量保存もついでにテンソル解析で書いてみる。*1
  \frac{\partial u_i}{\partial t}+u_j\frac{\partial u_i}{\partial x_j}=-\frac{1}{\rho}+\nu\frac{\partial}{\partial x_j}\(\frac{\partial u_i}{\partial x_j}+\frac{\partial u_j}{\partial x_i}\)\\ \frac{\partial u_i}{\partial x_i}=0
になる。
これをもうちょっと格好つけて微分演算子を引っぺがし易い格好に書くと、
  \frac{\partial u_i}{\partial t}+\frac{\partial u_iu_j}{\partial x_j}=-\frac{1}{\rho}+\nu\frac{\partial^2 u_i}{\partial x_j\partial x_j}
になり、これに時間空間についてのFourier変換を次のように定義したものを左からかける。
  \scr{F}=\(\frac{1}{2\pi}\)^3\Bigint_{-\infty}^{\infty}dx^3\hspace{5mm}e^{-ik_jx_j}\\\scr{F}^{-1}=\Bigint_{-\infty}^{\infty}dk^3\hspace{5mm}e^{ik_jx_j}
運動方程式非線形項は結局波数空間に取り込みきることはできなくて、畳み込み積分が生で残ってしまう。また、Fourier変換すると微分演算子はikに化けて、今考えてる運動方程式は初期境界条件の変わりにランダムな外力*2を仮定してるんで、積分定数は全部無視する。また、変換した後の流速uはハットをつけたのをあてることにする。
  \frac{\partial\hat{u}_i}{\partial t}+ik_j\(\frac{1}{2\pi}\)^3\Bigint dk_i\hspace{5mm}u_i(k_i)u_j(k_i-k_j)=-\frac{1}{\rho}-i\nu k^2\hat{u}_i\\k_iu_i=0
上の二つの方程式のうち、質量保存をすぐに運動方程式に適用することで式の項を幾つか落とすことが出来る。上の式に左からkをかけて無限区間積分すると、時間微分の項と粘性の項を落とすことが出来て、
  k^2\hat{p}=-k_ik_j\(\frac{1}{2\pi}\)^3\Bigint dk_i\hspace{5mm}u_i(k_i)u_j(k_i-k_j)
となる。
で、これはまだまだ入門編で、実は時間空間に亙ってFourier変換をする作業があるですよ。これをやらないと乱流の繰り込み群のレビューの取っ掛かりの1/3すらついてけない。その積分変換は
  \scr{F}\equiv\(\frac{1}{2\pi}\)^3\Bigint dtdx_i^3\hspace{5mm}e^{i\omega t-ik_ix_i}\\\scr{F}^{-1}\equiv\Bigint d\omega dk_i^3\hspace{5mm}e^{ix_ik_i-it\omega }
で与えられている。うぜー。

*1:航空では運動方程式と質量保存両方合わせてNavier-Stokesというらしいですね。あと機会屋さんが運動方程式とエネルギー保存式を並べて書く習慣が謎です。まあ人ん家のしきたりにあーだこーだ行ってもしょうがないが。

*2:とある業界ではランダム力; random forceとか言われてます。Langevin方程式を解いたり、M.D.をやるときに使うらしいっす。何かしっくり来ない。パラメータっぽくて嫌々なんだが、OrzakとYakotの論文には素で入ってきてるんだからしょうがねー。