双曲関数

何か訳あって、
  \psi_{rr}=\sinh\psi
なんていうコテコテ非線型な方程式を解くことになった訳ですよ、ゼミで。まー双曲関数は指数関数の関数なんでこの方程式系は半減期とか減衰長とかの値で特徴づけられ、そういう数で無次元化が出来て上みたいな式になる。まー中身を言っちゃえばコロイド粒子周りの電位分布の方程式な訳だ。
なので、rについての微分も球座標系だともう少し複雑になる。っつーか本当は上の方程式をフルな形で書くと、
  \triangle\psi=\sinh\psi
になる。で、上の方の式は、積分できる。具体的には両辺にψrを掛けることで簡単な形になる。
  \psi_r\psi_{rr}=\psi_r\sinh\psi\\ \frac{1}{2}\left(\psi_r^2\right)_r=(\cosh\psi)_r \\ \psi_r^2=2\cosh\psi+Const.
で、ここで、ψrについてはr無限遠で収束するという条件があって、これがStrum-Liouville問題の出来損ないみたいな感じで決められている。というか決めることが出来る。今の場合は無限遠で0似収束するという条件を適用して、
  \psi_r^2=2(\cosh\psi-1)
になる。
で、このままだと美しくないから双曲関数の公式を使う。基本的に加法定理と関数の定義からくる補助定理だけを使えば事足りる。
  1=\cosh^2x-\sinh^2x\\ \cosh 2x=\cosh^2x+\sinh^2x \\ \sinh 2x=2\cosh x\sinh x\\ (\cosh x)_x=\sinh x \\ (\sinh x)_x=\cosh x
上が双曲関数の補助定理と加法定理。三角関数に似てるけど、若干違う。このうち、上の二つだけを使えばもっと解をマシな形に出来る。
変形は置いといて、具体的には、三角関数とくらべると、三角関数は、
  1=\cos^2x+\sin^2x \\ \cos 2x=\cos^2x-\sin^2x\\ \sin 2x=2\cos x\sin x\\ (\cos x)_x=-\sin x\\ (\sin x)_x=\cos x
になって、sineとcosineの符号の交換が何となくあることが分かる。ということで、これにtangentまで入ってくるともう全く別の体系が出来るわけで、ちょっと覚えとくとお徳かもしれない。
変形の方は、
  \cosh\psi-1=\cosh\left(\frac{\psi}{2}\right) +\sinh\left(\frac{\psi}{2}\right)-\cosh\left(\frac{\psi}{2}\right) +\sinh\left(\frac{\psi}{2}\right)\\ =2\sinh\left(\frac{\psi}{2}\right)
なので、
  \psi_r=\pm\sinh\left(\frac{\psi}{2}\right)
になる。
とかいうのをシコシコと前ボスの研究室でやってますた。何か懐かしい感じがした。